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  • Topics・県内初の床版取り替え/高瀬橋リニューアル/NEXCO東日本新潟支社

     建設から半世紀が過ぎ、老朽化が進む高速道路。NEXCO各社が「高速道路リニューアルプロジェクト」を計画する中、NEXCO東日本新潟支社は同プロジェクトの一環として北陸自動車道(上り線)高瀬橋で県内初となる橋梁床版取り替えに取り組んでいる。ロードジッパーシステムを使い時間帯に応じて車線数を変えることで、利用者への影響を最小限にしつつ、安全な施工を実現する。11月中旬の完成を目指し、現場では工事が最盛期を迎える。

     

    【ロードジッパーシステムで渋滞抑制】

     高瀬橋は、北陸自動車道中之島見附IC~長岡JCTに位置する橋長111m、幅員13mの鋼3径間連続非合成鈑桁。1978年の供用から40年が経過、冬季に塩化ナトリウムを原料とする凍結防止剤の散布などから塩害が発生している。交通量や車両重量の増加も損傷の要因に挙げられる。

     

     リニューアル工事は、上り線を対象に、既存の鉄筋コンクリート床版をより耐久性の高いプレストレストコンクリート床版に新たに取り替える。同時に高性能の防水を施すことで機能向上と長寿命化を図る。

     

     8月中旬に始まった床版取り替えは、ランプ部(1期)、走行車線部(2期)、追い越し車線部(3期)の幅員分割施工を採用した。施工はエム・エムブリッジが担当、工程を短縮するため、70t吊りラフタークレーン2台が、橋梁中央部から端部に向かって同時に床版を取り替える。

     

     作業エリアを素早く確保して工事を円滑に進めるため、県内の車線規制で初めて投入したのがロードジッパーシステムだ。専用車両「BTM」が走行することでコンクリート製防護柵の設置位置を変える技術。道路の混雑状況に合わせて規制範囲を幅1.2mから最大5.5mまで自在に変えることができる。例えば、利用者が多い時間帯は2車線通行にして規制による渋滞を最小限に抑える。一方、平日や土曜日の夜間など比較的交通量が少ない時間帯は1車線通行にすることで、その分、作業帯を広く確保でき、現場の安全性が高まり、工事全体の効率にも貢献する。海外で広く普及しており、国内でも常磐、東京外環、関越、道央の各自動車道で既に実績があるという。

     

     多田明彦新潟支社長岡管理事務所長は「(リニューアルプロジェクトは)長期間にわたる工事なので、利用者への影響を最小限にする必要がある。また速やかな規制の切り替えと堅固なコンクリート防護柵は現場の安全につながる」と導入の目的を述べた。

     

     多田所長は「健全な高速道路を次の世代に引き継いでいくための必要な工事」とした上で、「3期それぞれで車線の運用形態が異なる。特に9月下旬から始まった2期(走行車線)は、通常分岐している場所よりも約1㎞手前で関越道(東京)方面と北陸道(富山)方面が分かれる。路肩に設置したLED表示板などで注意喚起していく」と高速道路の逆走などに対する安全対策にも万全を期す考えだ。

     

     同社が管理する高速道路は約3895㎞。30年にはこのうち8割が開通30年を超える「高速道路の高齢化」時代を迎える。利用者の安全を第一とする同社は、経済・医療・防災など社会基盤を支える社会インフラという大動脈の役割を果たすべく、さまざまな技術を駆使して高速道路のリニューアルを推進する。

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    掲載日: 2018年10月2日 | presented by 建設通信新聞

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