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  • 清水建設/超高層ホテル建設現場でロボット3機種稼働/資材搬送ロボは実用化にめど

     清水建設は10日、大阪市淀川区で施工している超高層ホテルの建設現場を報道陣に公開した。現場には自社開発した3種類のロボットを試験導入。資機材の搬送作業向けロボットは実用化が可能なことを確認。溶接ロボットと天井ボードのビス留め・資材据え付け作業ロボットも導入に向けて改良を加速する。3機種とも19年に本格導入と技術のブラッシュアップに取り組み、首都圏の大規模現場に展開する考えという。

     

     同社は熟練技能者の高齢化や労働人口の減少などを背景に、現場の省力化や生産性向上につながるロボットを開発している。大阪市内の現場に投入したのは、建設資材の搬送作業ロボット「Robo-Carrier」(2台)と溶接ロボットの「Robo-Welder」(2台)、天井ボードのビス留め・資材据え付け作業ロボット「Robo-Buddy」(1台2アーム)。

     

     搬送作業ロボットは10月上旬から稼働を開始。1台は1階で資材を積み込み連動するエレベーターが指定階に到着すると、もう1台が資材を受け取り、指定の場所まで運ぶ。これまでは1階と指定階に各2人、エレベーターは1人、職長1人の合計6人がこの作業に携わっていた。

     

     一連の作業は職長1人が米アップルのタブレット端末ipadで操作する。稼働するのは主に据え付け作業が行われない夕方以降の時間帯。同社によると、既に想定能力の約76%を発揮しているという。安全性や細かな稼働条件の補正を行い、工事の終盤には100%に引き上げられるめどがついている。最終的に20フロア分の天井ボードとエアコンユニットを搬送する予定だ。

     

     溶接ロボットは2アームの「ピポット式」で10月と11月に鉄骨柱2本の溶接を実施した。9月上旬から9~24階の鉄骨柱を溶接する予定だったが、ピポット式に加え溶接アームが一つで鉄骨回りに設けたガイドリングに沿って溶接する「リング式」の開発も進めることになった。天井ボードのビス留め・資材据え付けロボットは今月から現場に導入した。3階ロビーのほか、一部客室のつり天井も施工する予定。作業ロボットのアームが届く場所に天井ボードを持ち上げておく支援ロボットと協調して作業を行っている。

     

     3機種のロボット以外にも、現場には雨天でも作業が可能な全天候カバーや世界初の水平スライドクレーン「Exter」を導入しており、実用化が可能なことを確認した。

     

     同社は、地上30階程度で基準階面積3000平方メートルの現場に3機種のロボットを導入すると、7~8割の省人化が可能と試算。工事全体では1・1%の省人化になると見積もっている。導入分野を広げ2025年には約10%の省人化を目指すという。

     

     ロボットを投入した高層ホテルはSGリアルティが計画する「からくさホテルグランデ新大阪タワー」。S造地下1階地上24階建て延べ約1万8450平方メートルの規模。清水建設が設計・施工を担当している。17年6月に着工し、完成予定は19年8月。現在の工事進捗(しんちょく)率は約55%となっている。

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    掲載日: 2018年12月11日 | presented by 日刊建設工業新聞

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