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  • ドローンで水力発電所鉄管を点検/関電とNJS、環境総合テクノスが業務提携/日数、費用を50%以上削減

     関西電力とNJS、関西電力グループの環境総合テクノスの3社は24日、国内外の水力発電所鉄管におけるドローンを活用した点検事業に参入するため、業務提携に関する契約を締結した。NJSが開発した管路・閉鎖性空間の点検調査用ドローンを、関西電力の水力発電所を実証フィールドに改良、閉鎖的な空間で傾斜のある構造物を点検する技術を国内で初めて確立した。従来の点検手法に比べ、安全性が向上し、点検日数・費用を50%以上削減できる。こうしたより高品質で廉価な点検サービスを国内外に広く提供していくため、3社では今後2019年度上期での事業開始に向けて詳細な検討を進めていく。

     

     関西電力では水力発電所の鉄管内部について、およそ6年に1回の頻度で目視点検を実施している。その結果、さらに鉄管内部のさびや劣化状況などの詳細な確認が必要な場合は、鉄管内部に足場を設置して調査員が目視確認したり、点検ロボットを搬入するなどして点検を実施しており、相応の費用と時間を要していた。

     

     このため、NJSが開発した、下水道管路内などの水平な閉鎖的空間で飛行可能なドローンに着目。18年7月にNJSに協力を依頼し共同で実証実験を行うことで合意した。ドローンの後方に新たにテールを配置するなどの改良を加え、同9月に御岳水力発電所の水圧鉄管(管径1.2-2・4m、長さ356m)で実証実験を実施した。

     

     その結果を踏まえ、ドローンのブレを抑制するため、テール構造を最適化し、ことし2月には矢田川水力発電所の余水管(管径1.5-2・3m、長さ170m)と岩中水力発電所の余水管(1.2-1・9m、48m)で実証実験を行い、さびや劣化状況を鮮明な画像でより的確に確認することに成功した。

     

     ドローンを活用した水力発電所鉄管内部の点検は、水槽開口部から内部にドローンを搬入し、遠隔操作で離陸させる。飛行位置を確認できるよう機体にはリードを設置、そのリードが鉄管内を移動するための補助を行う。常に鉄管とドローンの後方に設置したテールの先端部分を接触させることで鉄管下部まで安定的な飛行が可能となり、高画質カメラで鮮明な動画を撮影できる。

     

     wi-Fiを利用できる環境であり、鉄管の長さは最大約500m、直径0.7-2・4m、傾斜角度が最大45度でドローン飛行の出入り口があることが飛行条件となる。最長飛行時間は5分。

     

     国内には2200基を超える水力発電所があり、関西電力は自社での活用にとどまらず、電気事業者を中心に広く点検サービスを提供していく考えだ。

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    掲載日: 2019年5月27日 | presented by 建設通信新聞

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