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大枠で既設部分継承/東京都交通局採算性検証は3月以降/大江戸線練馬区内延伸
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>都営地下鉄大江戸線(都市高速鉄道12号線)の東京都練馬区内の延伸に関連して、東京都交通局は、採算性などの検証に必要な事業費の算出を進めている。工事は大枠で既設部分を引き継ぐ考えで、その場合、トンネル部分はシールド工法、駅部分は開削工法を採用する見通しだ。このほか、駅の設置場所なども検討し、2020年2月末までに事業費を含めた整備案をまとめる。算出した事業費をもとに、同局総務部が延伸事業の採算性などを検証する。
大江戸線の延伸は、練馬区にある既存の光が丘駅から、新設する大泉町・大泉学園町などを通過して、埼玉県所沢市のJR武蔵野線東所沢駅に接続する計画。このうち、都が事業費を検証しているのは区内の光が丘~大泉学園町までとなる。
大江戸線は建設コスト縮減のために小断面トンネルと、車両の小型化、鉄輪式のリニアモーター駆動を導入しており、トンネル断面の外径は5.3m、内径4.3mで断面積は都営新宿線の約半分。レール幅は1435mmで、推進力を得るためにレール間にリアクションプレートが設置されている。
これらの特殊性などから、延伸する場合のトンネルも既設部分を受け継ぐ方針だ。ルートは導入空間となる都市計画道路補助230号線の地下を想定。長さは約3.9㎞。
駅は3つの新駅整備を予定、練馬区が公表している予定図から「大幅な変動は想定していない(交通局建設工務部)」という。
ただ、大泉町付近では白子川が流下していることから、地下の工事に一定の制約を受ける個所があるほか、川の西側では、東京外環自動車道が地下を通過している。このため、その下部を掘削していく必要があり、同駅の配置は外環を潜り終えた先になる可能性が濃厚だ。
同区は13年度に事業費について600億-700億円と試算している。都もその後の検討で同程度の試算結果を得ており、今回の検討では、資材価格や労務単価の変動などを受けた費用の増加分なども検証することになりそうだ。
延伸が実現する場合、営業距離や輸送人員の増加に伴い、新たな車両を留置する車庫が必要となる可能性があるが、今回の事業費などの検討には車庫が含まれていない。交通局総務部は「車両混雑の対策として一般的に車庫の要不要を検討している」とし、延伸との関連性は明言していない。
光が丘から大泉学園町までの延伸は、国土交通相の諮問機関・交通政策審議会の16年度答申で「事業化に向けて検討等を進めるべき」と位置付けられた6路線の1つ。10月の小池百合子東京都知事との意見交換で、前川燿男練馬区長は「(6路線の中で)大江戸線が一番進んでいる」と進捗状況に手応えをのぞかせた。
事業費は、大江戸線延伸基本検討(その2)で、交通局から委託を受けた復建エンジニヤリングが、20年2月28日までの履行期限で算出する。
残り50%掲載日: 2019年11月5日 | presented by 建設通信新聞