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  • 建設論評・危険の機は好機

     新型コロナウイルス対策、何よりも日本の遅れを感じるのがIT分野だ。

     

     台湾のマスク在庫情報提供システムや韓国の感染者フォローシステム、さらにはドイツのオンライン補償支払いシステムなど、世界でITを活用して情報を的確に捕捉し、いち早く対応・公開している国とは違い、日本における申請、許認可がいまだに紙ベースであったり、マイナンバーカードの暗証番号を切り替えるのに、6時間も区役所で待たされたりするような国ではなかったはず。いつの間にか、日本は世界最先端のIT先進国から、後進国になってしまったとさえ感じる。

     

     この解決のためには優れたIT技術者が必要と言うよりも、既存の仕組みや制度の切り替えを大胆に行うことであることは明らかだ。いまこそ、デジタル化の力を導入すべき好機と考える。日本の技術力をもってすれば、簡単にデジタル社会に合致できるはずだ。

     

     建物や不動産では、どうであろう。

     

     新型コロナウイルスに勝つための最も簡便な手法は、人に触れないことだ。ポストコロナ時代に最先端の安全衛生な建築を考えてみてはどうか。

     

     中国のEaspeed社では、エレベーターの数字ボタンをホログラム化し、上から見ると数字が浮かんでくるが、横から見ると空間になっており、実際にボタンに触れることなく、ホログラムに触れることで、階数認識されるようなシステムを開発している。

     

     当然、音声認識で階数を言えば、その階のボタンを押したのと同じ効果を生む技術は、より導入が簡便であろう。さらにこの触らない技術は共有の電話、PCやセキュリティー扉など他の分野でも応用可能だ。

     

     iPhone等で導入されている顔認証技術は、セキュリティードアや会議室の開閉など、カードによる認証よりも安全で、触れない技術であり、建物を含む多くの管理ツールとして導入しやすいものだ。

     

     位置情報は屋内でも常識化し、密度が高い場合や濃厚接触者に該当する場合はアラームが報知されるなど、室内でも位置補足システムが常態化する。

     

     建物も単一の用途から、スモールオフィスにも、会議室にも、ホテルにも変更できる複合用途としての建物のハイブリッド活用が常態化するが、ここでも安全衛生が優先するはずだ。

     

     欧米人はリスクをとり、日本人はリスクを嫌う、とよく言われる。しかし、農耕民族であった日本人は、春に種をまき、秋に刈り取り、初めて収入となるが、その間、台風、日照りなどの自然災害を避けながら、農業を行ってきた。それに対して狩猟民族の欧米人は、その日狩りに失敗したら次の日はまたチャンスがあると考える。

     

     欧米人のように、リスクを「危険」「害」と捉えるのではなく、「機会」とする心構えがいまこそ必要だ。

     

     さらに、これを機会と捉え、まったく新しい技術の導入などが進む世の中にして、建設業としての次世代モデルを創造するチャンスと考えることだ。 (司)

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    掲載日: 2020年5月13日 | presented by 建設通信新聞

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