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上場大手ゼネコン4社・20年3月期決算/大林、鹿島が2兆円超え
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【コロナ影響国内限定的も海外打撃/需要変化に対応不可欠】
上場大手ゼネコン4社の2020年3月期の決算が出そろった。各社とも手持ち工事の順調な進捗で売上高は好調で、大林組と鹿島が2兆円を超えた。21年3月期業績予想は、大林組と清水建設が発表を見送った。新型コロナウイルス感染拡大による国内での影響は限定的とみられるものの、海外を中心に売上・利益とも打撃を受ける見込み。今後は、社会変化に伴う建設需要の変化への対応が重要になる。
20年3月期決算は、4社とも増収を確保し、大林組は売上高で過去最高を記録した。利益面では、一部で損失引当金を計上するなど厳しさもみられた。20年3月期での新型コロナウイルス感染拡大による売上・利益の影響は、ほとんどみられなかった。ただ、「最終盤に大型工事の受注が先送りになった建築事業があった」(大成建設)と一部では影響もみられ、利益面でも「シンボリックな事業は各社とも受注意欲があり、採算面に厳しさもみられる」(大林組)と、建設需要の谷間に当たり利益面の懸念も顔をのぞかした。
21年3月期の予想については「工事中断による売上・利益の計上のずれ込みや追加費用が見通せないほか、受注動向も見通せない」(大林組)、「下振れリスクは見通しが難しい」(鹿島)と、先行き不透明な環境に各社とも困惑気味だ。特に海外事業への影響が大きく、シンガポールではいまだ現場閉所が続いている。このため、鹿島がカジマ・アジア・パシフィック(KAP)の21年3月期予想を5億8000万円の赤字(純利益)とするなど、各社とも影響は大きく、減収・減益・受注減予想の主要因となっている。
国内受注は、「工事の中断期間が短く、現段階では経費面での大きな影響はみられない。民間建築は(見直しがあったとしても)大型再開発案件や機能高度化・省力化の需要が豊富で、官公庁やインフラ系民間企業の発注も堅調。国内での影響は限定的」と各社とも口をそろえる。ただ、大成建設は、新型コロナウイルスの影響で「受注高10%程度、売上高20%程度のマイナス影響を受ける」と予想。短期的には「コロナウイルスの影響を強く受ける業界を中心に予定していた計画の取り止めや延期を懸念している」(大成建設)、「一部に設備投資計画の延期や見直しの話が出ている」(清水建設)といった点が懸念される。中長期的な国内民間企業の投資意欲の減退も大きな懸念材料だが、「Eコマース(電子商取引)の進展に伴う流通倉庫市場の拡大の動きがみられる」(鹿島)、「生産拠点の国内回帰が一定程度進むと思うので、プラス面もある」(清水建設)など、社会変化に伴う投資分野の変化に対応できれば建設需要全体は堅調に推移するとの見方が広がっている。
残り50%掲載日: 2020年5月26日 | presented by 建設通信新聞