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  • 財政ひっ迫、計画見直し/新型コロナ対策で都内自治体/荒川区はホール整備断念

     新型コロナウイルス対策による財政支出に伴い、東京都区部では公共事業や開発事業の計画そのものを見直す動きが出てきた。感染拡大防止に向けた入札延期などではなく、新型コロナ対策に伴う財政のひっ迫が背景にある。足立区は本庁舎の大規模改修計画を見直すほか、荒川区は自らが地権者として参画する再開発事業でホール整備を断念する方向となった。世田谷区も庁舎の整備計画を一部見直して、事業費を削減する。

     

     足立区は、総事業費約150億円を見込んでいた本庁舎の大規模改修工事を見直す。北、中央、南の3棟総延べ約7万5000㎡が対象で、当初は今年度から全体設計に着手する予定だったものの、北館の設計を2022年から着手するほか、中央・南館は現状のままで当面は緊急的な維持保全工事にとどめる。仮設庁舎の建設も見送り、既存庁舎を活用する。

     

     区は「長期化する新型コロナウイルス感染症対策に伴う財政状況を考慮し、仮設経費の削減や工事期間見直しによる工事費の平準化に配慮する」としている。今後、中長期的な財政状況を踏まえ、中央・南館の改修着手を判断する。

     

     西日暮里駅前地区市街地再開発準備組合に大規模地権者として参画する荒川区は、再開発施設に計画していたホール整備を断念することにした。当初は190億円でホールを整備・取得する計画だったが、「区財政は今後、リーマン・ショック以上の悪影響を受けるおそれが生じている。ただ、財政回復の見通しが立つまで先送りすると、再開発事業の遅れに直結する」としてホールの断念を決めた。

     

     ホールの代替施設としては、民間によるコンベンション施設などを検討中だ。また、区の追加支出が不要な権利床を活用し、文化交流拠点施設などの整備も視野に入れている。

     

     近く新庁舎建設工事の入札を公告する世田谷区は、「新型コロナウイルスによる区内事業者、区民生活、区財政の影響へ対応するため、当面は財政負担縮減に取り組む」(保坂展人区長)として、庁舎整備費の縮減を進める。仕上げなどの仕様を見直して工事費を約10億円、什器などの関連事業費約5億円を削減する予定だ。

     

     多様な財源を持つ東京都はいまのところ、新型コロナ対策による財政ひっ迫を理由とした大型事業の見直しには至っていない。区部など財政規模が小さい自治体では、新型コロナ対策の財源確保に向けて大型事業が直接的な影響を受けやすい。

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    掲載日: 2020年9月3日 | presented by 建設通信新聞

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