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  • 国交省、建設業4団体が意見交換/技能者賃金年2%上昇で一致/担い手確保へ処遇示す

     国土交通省と日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会の建設業4団体は、30日に開いた意見交換で技能者の賃金水準について、年間でおおむね2%以上の上昇を目指すことで一致した。今後の担い手の確保に向けて、技能者の賃金上昇を起点とした好循環が不可欠であるとの認識の下、具体的な数値目標を目指してすべての関係者が取り組みを進める。

     

     同省は意見交換の中で、ことしの公共工事設計労務単価の状況について説明。単価設定に際しては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済の先行きの不透明感から一時的な賃金抑制が発生したと判断し、各職種別に都道府県ごとで算出している単価が前年度を下回った場合に、同額に据え置く特別措置を講じた。全体の地域・職種の42%(2120単価)が前年度比でマイナスとなり、特別措置の対象となった。

     

     今回の労務単価では特別措置により最低でも前年同額を維持したが、今後も賃金の抑制傾向が継続・拡大すれば、来年度以降の労務単価の下落は避けられない。それが予定価格の低下に反映され、さらなる賃金抑制につながると、堰(せき)を切ったように“負のスパイラル”に突入する恐れがある。

     

     担い手の確保には、技能と経験に応じて処遇が向上することを示すことが必須だ。負のスパイラルとは逆に、技能者の賃金の引き上げが労務単価の上昇を通じて、企業の適正利潤の確保、そしてさらなる賃金の引き上げにつながるという好循環を堅持することが必要となる。

     

     賃上げの目標水準については、製造業など他産業との人材獲得競争を念頭に設定。建設業の生産労働者が製造業の生産労働者の賃金水準に追いつくためには、5年間で年平均2.2%の上昇が必要なことや、近年の労務単価上昇率、新型コロナの影響、ことし春闘の賃上げ状況などを総合的に勘案し、21年は年間でおおむね2%以上の上昇を目指すこととした。

     

     技能者の賃上げに向けては、事業量の確保やダンピング(過度な安値受注)の排除、適切な水準の賃金支払いなどを官民を挙げて取り組んでいく方針だ。具体的には、国が防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を始めとする持続的・安定的な公共事業量の確保とその着実な執行や、適正な予定価格の設定の徹底などダンピング対策を強化する。地方自治体も含めて対策を講じる。

     

     建設業界・企業は、ダンピングの自制や建設キャリアアップシステムをなどを通じた技能・経験に応じた賃金支払い、労務費を内訳明示した見積書の活用促進・尊重などの取り組みを進める。

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    掲載日: 2021年3月31日 | presented by 建設通信新聞

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