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  • 水素100%で熱電供給/大林組、川崎重工が世界初統合型EMS確立へ

     新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業において大林組と川崎重工業は、世界で初めて、市街地で水素のみを燃料としたガスタービン発電によって、近隣の4施設に熱電を同時供給する実証試験に成功した。今後は季節変動による水素ガスタービンの性能変化やエネルギー制御における最適な熱電併給バランスに関するデータを取得する予定。試験を通じて、燃料となる水素と天然ガス、コミュニティーで利用する熱と電気を総合管理し、統合型エネルギーマネジメントシステム(統合型EMS)の確立を目指す。

     

     両社は2017年12月に、1メガワット級水素ガスタービン発電設備「水素コジェネレーションシステム(水素CGS)」の実証プラントを神戸ポートアイランド地域(神戸市)に完成させ、1月から試運転を開始、2月の天然ガスによる熱電供給などさまざまな技術を検証してきた。この水素CGSは、水素だけを燃料とする専焼、水素と天然ガスを任意の割合で混ぜ合わせたものを燃料とする混焼も可能で、試験を通じて燃焼安定性や運用の安定性を確認した。

     

     また水素CGSから発生した熱や電気を、近隣の中央市民病院、ポートアイランドスポーツセンター、神戸国際展示場、ポートアイランド処理場に供給するための基礎試験を行い、地域コミュニティー内でのエネルギー最適制御システムの動作を検証した。

     

     これを踏まえて19、20日には、水素のみを燃料に使用して運転し、中央市民病院とポートアイランドスポーツセンターの2施設に2800kWの熱を、神戸国際展示場とポートアイランド処理場を加えた4施設に合計1100kWの電力を供給し、水素のみでの実供給における各機器とシステムの性能を評価したほか、システム全体が問題なく稼動することを確認した。

     

     今回の実証事業では、水素CGSの開発を川崎重工業が担当。統合型EMSの開発については大林組が事業幹事社、大阪大学が共同研究者として携わっている。

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    掲載日: 2018年4月23日 | presented by 建設通信新聞

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