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  • 大型DCでBIM本格活用/新菱冷熱 FM導入の基盤構築

     新菱冷熱工業は、NTTデータが3月に完成させた国内最大級のデータセンター「三鷹データセンターEAST」(東京都三鷹市)の新築プロジェクトで、空調・衛生設備工事を担当し、建設工程の全局面でBIM活用を先導するBIMマネージャーも務め、工事の全体最適に貢献した。また、施主のFM業務の効率化を目指したデータ連携システムのスムーズな導入も実現した。

     

     このデータセンターは、4階建て延べ約3万7000㎡で、最大5600ラックを収容できる。建設プロセス全般の最適化のため、施主や設計会社、建設会社、専門業者などの関係者が、初期段階から協業する業務形態「IPD(インテグレーテッド・プロジェクト・デリバリー)」を導入した。この規模のプロジェクトでは国内初の試みだったという。

     

     IPDの実現には、一元化したBIMモデルをリアルタイムに可視化し、関係者が共有できる環境が不可欠。新菱冷熱は、建築工事を担当したフジタのBIMマネージャーとともに、初期の段階からBIM活用をけん引した。また、施主・設計・建築・設備のBIM担当者が参加し、着工と同時に結成された「BIM分科会」では、BIM導入のルールづくりや実施計画書の作成など運営業務を推進した。

     

     分科会では、施工前に策定したBIM実施計画書に基づき、施主にBIMモデルを仮想で引き渡す「VHO(バーチャルハンドオーバー)」を工事期間中に2段階で実施し、竣工後のBIM活用を目的とした課題解決をタイムリーに行った。

     

     1回目のVHOは、機器の配置や納まりを調整し、空間的な整合性を確保した「納まり調整BIM」の完了時に実施。竣工時の建物が、発注者要件を満たすか評価したところ、100項目近くの課題が顕在化した。設計・施工計画にフィードバックして一つひとつを解決し、建物運用に関する施主の意図との齟齬(そご)を施工前に解消した。

     

     2回目のVHOは、竣工後の具体的な施設運営・保守業務の適正遂行を確認する「仮想竣工BIM」の完了時に実施した。BIMモデルの属性データを使い、施主が所有するFMデータベースに取り込む際の流れを事前に検証・確認。エラー発生の確認や属性データの変更・見直しの必要性を前倒しで把握でき、竣工後のFM業務へのスムーズなBIM導入につながった。

     

     さらに、工事完了後のBIMデータ検証検査において、実際の建物とBIMモデルを比較して最終調整を行うことで、より精度を高めた「竣工BIMモデル」を施主に引き渡せた。

     

     新菱冷熱は今後も、BIMマネージャー講習を定期的に開催するなど、人材育成に注力していく。

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    掲載日: 2018年5月22日 | presented by 建設通信新聞

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