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下水道設備検証/ドローンで劣化情報取得/NJSとJFEプラントエンジ
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【予防保全を効率化】
NJSは、老朽化が懸念される下水道施設の設備管理を効率的かつ経済的で高精度に行うため、汚泥かき寄せ機など低回転設備での振動診断技術を活用した劣化診断技術をほぼ確立したほか、非GPS(全地球測位システム)空間で自律飛行し目的物の画像情報を取得できるドローンの開発にも成功。各種機械部品や配管などによる制約が多く、人による調査が危険な場所での劣化情報を安価で高精度、効率的に収集する技術開発に一定のめどをつけた。 =1面参照 JFEプラントエンジとともに、神奈川県横須賀市上下水道局と2017年度から2カ年での共同研究に取り組む「下水道設備の革新的な診断技術(ITC、ドローン活用)開発」の初年度での成果として、23日に実施した公開実験の中で明らかにした。
共同研究では、市が運転開始から49年が経過する下町浄化センターを実験フィールドとして提供。下水処理場の機械設備の中でも特に条件・環境が厳しい汚泥かき寄せ機を対象に、高精度かつ効率的な劣化診断技術と劣化情報収集技術を確立することで、現場監視の省力化やIoT(モノのインターネット)・AI(人工知能)技術によるストックマネジメントの最適化を図る。
このうち、劣化診断技術では、水上部の駆動装置の振動診断により劣化の兆候把握が可能かどうか検証。稼働中の汚泥かき寄せ機全36台に短時間振動試験(3分程度)を実施し、劣化の兆候が見られる2台に長時間振動試験(5時間)を実施した結果、水没部品の劣化兆候を特定し、劣化の原因を想定することができた。この成果を活用することで、下水処理場内に散在する低回転機器の劣化診断の精度を向上させ、劣化診断にかかる手間やコスト、危険の軽減が期待できるとしている。
今後、より効率的な劣化診断のため、 機器設置型無線センサーの活用と、 ネットワークを経由したオンラインによる常時監視手法を検討する。
一方、ドローンを活用した劣化情報収集技術では、自律制御システム研究所(ACSL)の独自開発技術「VISUAL SLAM(ビジュアル スラム)」を採用し、カメラの画角内にある特徴点を抽出してリアルタイムで演算することで自己位置を推定し自律飛行するドローンを開発。公開実験ではGPSを受信できない下水道施設の地下管廊を一定の高さを保ちながら安定的に自律飛行し、目的物の画像情報を取得できることを確認した。
今回開発したドローンは、距離制御用ステレオカメラで前方の障害物を検知。設計図面があればあらかじめ情報を入力することで特徴点を認識して自律飛行できる。今後、汚泥かき寄せ機など、より制約条件の厳しい環境下で自律飛行できるよう改良するほか、AIによる劣化画像解析などの技術開発を進める。
この日、開発状況などを説明したNJSの谷戸善彦取締役開発本部長は「コストが安くスピーディーで安全性、精度が高いのがドローン活用のメリット」と強調した上で「下水道施設でもより環境の厳しい汚泥かき寄せ機で実用化できれば幅広いインフラ点検に活用できるのではないか」との考えを示した。
残り50%掲載日: 2018年5月25日 | presented by 建設通信新聞