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  • 産総研、NEDO、八千代エンジら5者/ドローン使い土砂災害時の埋没車両位置特定

    産業技術総合研究所(産総研)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、八千代エンジニヤリング、エンルート、日立製作所の5者は、土砂災害時に埋没した車両を、ドローン(小型無人機)につり下げた地下電磁探査センサーを使って探索するシステムを共同で開発した。車両を埋設させた実験サイトで検証した結果、埋没車両の位置の特定に成功したという。さらなる改良を経て実用化。人の立ち入りが困難な災害現場で埋没車両を探査する技術として救助の迅速化につなげる。

     2004年の新潟県中越地震、16年の熊本地震で人が乗った車が土砂災害によって埋没する事例が発生。二次災害が懸念される中での車両探査が困難を極めたことを踏まえ、5者はドローンを活用して安全で確実に探索できる新システムの開発を進めていた。

     新システムは、エンルートが開発した「マルチコプター ZION CH940」(最大積載可能重量6・6キロ)と地下電磁探査センサー(長さ1・6メートル、総重量4・5キロ)で構成。飛行するドローンからワイヤでつり下げられた探査センサーで車両の位置を探索する。探査センサーは位置情報収集用のGPS(衛星利用測位システム)、信号受信器、センサーの制御と計測データのモニタリングのための無線通信装置、地下電磁探査センサーの対地高度をモニタリングする超音波距離センサーを搭載する。

     ドローンとセンサーの距離は4メートル。超音波距離センサーで地表から1メートルの高さに探査センサーを降ろして探索する。風などの影響によるセンサーの水平方向の回転を防ぐため、センサーの片端に垂直尾翼を装着し、飛行中もセンサーがドローンの航行方向を向くように設定している。

     実験は、静岡県富士市の日本建設機械施工協会施工技術総合研究所の実験サイト(70メートル×35メートル)で軽自動車2台を地下1・5メートル(浅部)と3メートル(深部)に埋設。探査センサーを搭載したドローンを航行速度毎秒約2メートル、対地高度約1メートルで飛行させて計測を行った。対象エリアを網羅的に探査する広域探査で大枠を把握し、抽出された特定のエリアを詳細に探査する精密探査で浅部の埋没車両を明瞭に検出し、深部の埋没車両もわずかながら検出できたとしている。

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    掲載日: 2017年6月6日 | presented by 日刊建設工業新聞

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