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  • Topics・働きやすさ伝え担い手確保につなげる/各地で実施、女性現場見学会

    【土木技術者女性の会/会社超え交流活発化】

     

     女性が中心になって参加する工事現場の見学会が盛んだ。8月24日、全国の17現場で開かれた「けんせつ小町活躍現場見学会」が当初の全日程を終えた。女性が現場を案内し、働きやすい環境を紹介する現場も多い。学生の進路選択として、理工系や建設業界に視野を広げてもらったり、建設に携わる社会人が会社を超えて交流を深め、仕事のモチベーションにつなげたりすることを目指した取り組みが、各地で進んでいる。

     

     土木技術者女性の会(渡辺弘子会長)は同28日、東京都三鷹市で進む国土交通省関東地方整備局東京外かく環状国道事務所の「東京外かく環状道路中央JCT工事現場」で、「夏のリコチャレ2018 理工系のお仕事を体感しよう!」の一環となるイベントを開いた。中高・大学生8人、社会人24人が参加し、道路トンネルのつくり方としてシールド工法や開削工法を学んだ。

     

     等圧式ソイルセメント地中連続壁工(TRD工)の現場では、TRD本体機が掘削し、芯(しん)材を建て込む手順の説明を受けた。説明を担当した現場作業員は、「TRD本体機は超巨大チェーンソー、プラントはセメントソイルの製造所と考えてください」など、専門用語を分かりやすく伝える工夫を凝らしていた。

     

     当日のテーマは「カントクさんになってみよう!」で、女性現場監督が仕事内容を紹介した。作業員は「工事を効率的に進めるため、段取りが何より大事。現場で作業する方との情報共有やコミュニケーションが欠かせない」と語った。

     

     現場では、熱中症を防ぐ取り組みも紹介した。参加した学生8人が空調服を着用し、「涼しくて快適だ」「こんな服があれば安心して働ける」と笑顔で感想を口にした。女性社員は、「現場で体を動かす人が気持ちよく仕事できるよう、健康への注意喚起も現場監督の仕事。朝礼では、気温や風量、危険個所などをしっかり伝えるようにしている」と日々の業務の注意点を説明した。

     

     見学会の感想として、中学生の1人は「いくつもの細かい作業を大人数で作り上げていくことがすごいと思った。土木分野への進学は考えたことが無かったが、視野を広げられた」、大学生は「教科書で名前を知っているだけだった機械や工法を目にすることができた。土木は怖いというイメージが少しあったが、優しく説明してもらい、現場に出たいと思っている自分にとってとても心強く感じた」と述べた。

     

     部署や会社を超えた交流を目指す集まりもある。建設業界で働く女性で構成する「ゼネコン女性交流会」は同3日、千葉県成田市の鉄建建設建設技術総合センターで交流会を開いた。今回で15回目の開催で、20社約120人が参加した。

     

     参加者のうち、今回幹事社を務めた鉄建建設からは、札幌から九州まで全国の支店から39人が参加。会の進行を担う同社女性社員は、「入社年次や支店が違うと、同じ会社でもあまり交流がなかった。当日まで電子メールやテレビ会議を駆使して打ち合わせを何度も重ねるうちに、(交流会の)事務局の中でも交流の輪が広がった」と語った。

     

     参加者は、実際の駅を再現した屋外研修フィールドでホームや軌道、踏切などの施設を見学した。実際にホームからの転落を検知するマットの上でジャンプしたり、踏切の遮断機を車で押し上げる緊急対応を目にしたりしたことで、参加者からは「普段の業務では体験できないことが多く楽しかった」と感想があった。体験を通して「他社の方と会話や協力をする時間が多くあった」と、次回以降もより交流を深めるプログラムに期待する声が挙がった。

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    掲載日: 2018年9月4日 | presented by 建設通信新聞

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