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りんかい日産、寄神、ユニバーサルエネ研が陸上で実証/着床式洋上風力向けテーパー型基礎杭/CO2排出と杭撤去費半減
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>りんかい日産建設は、寄神建設、ユニバーサルエネルギー研究所と共同で開発を進めている着床式洋上風力発電向け「テーパー型基礎杭」の陸上実証を始める。杭の引き抜き(撤去)行程を従来工法の3工程から1工程に短縮し、杭の打設から撤去までのコストを半減するとともに、CO2排出量も半減させることを目標としたテーパー杭の実用化に向け、技術開発を前進させる。2019年度には海上実証を実施する予定だ。
テーパー杭は、鉛筆のように先端が細くなる形状を持つ。構造の基礎に採用されたケースはないものの、ストレート杭に比べ引き抜きやすい。ストレート杭と同じ油圧ハンマーで打設し、外挿管を使う従来工法と異なり、テーパー杭をそのままバイブロハンマーで引き抜く。
洋上風力は20年間の事業期間終了後、現況復旧が原則となることから、3社は一般的な鋼管杭ではなく、撤去を前提とした基礎杭の施工法を確立することで、海洋再生可能エネルギーの導入促進に貢献できるよう技術開発を進めている。
技術開発は環境省のCO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業に採択され、17年度から着手。室内試験でテーパー杭の有効性に一定のめどを付けている。18年度もテーパー杭の基本特性をより深く把握するなどの室内試験を実施、次の開発ステップとして、陸上実証に入る。
陸上実証では、直径1.5m、長さ16mのテーパー杭2本と従来型の「ストレート杭」2本の計4本を兵庫県播磨町の寄神建設ヤードで打設、引き抜きを行い、押し込み試験など各種試験を実施して、テーパー杭設計の考え方の見通しを立て、製造方法と施工法を開発する。ストレート杭に対する優位性も整理する。
また、実証で得られるエネルギー消費と船舶機械器具の稼働時間から、CO2削減効果とコストを分析する。
13日には、技術開発・実証事業の一環で、海洋技術や地盤の専門家などの関係者で構成する技術開発実証の検討会(委員長・荒川忠一東大名誉教授)を開き、陸上実証の計画工程などを審議した。検討会の冒頭、りんかい日産建設の大下英治執行役員土木営業担当は、「(陸上実証を踏まえ)3年目の海上実証につなげて、再生可能エネルギーの普及促進となるよう、事業全体の成果を得たい」と、実用化への決意を示した=写真。
テーパー杭が実用化すれば、着床式洋上風力の基礎杭だけでなく、撤去が必要な仮設構造物の基礎杭としても需要が見込める。
残り50%掲載日: 2018年9月14日 | presented by 建設通信新聞