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  • 災害対応に公的補償を/地域建設業、労災制度頼みを不安視/全建 議論の深掘り要請

     豪雨や台風、地震などの自然災害が相次ぐ中、「地域の守り手」として応急活動に当たる地域建設業から、災害現場での負傷などに対する公的補償を求める声が上がっている。全国建設業協会(近藤晴貞会長)は、9地区で開いている国土交通省などとの地域懇談会の提案議題の1つに「災害対応における補償」を設定。19日に開かれた四国建設業協会連合会と国交省などとの意見交換会で全建の伊藤淳専務理事は、「地域建設業は労災でどれだけカバーできるのか不安を抱えている」とし、災害現場での人的補償について議論の深掘りを求めた。

     

     四国建設業協会連合会は、災害協定に基づいて出動した際に、建設作業従事者がけがなどを負った場合の補償制度を要望。消防署の職員ではない消防団員が災害対応時に負傷した場合は、準公務員扱いとなる公務災害補償制度が適用される一方、災害協定に基づいて出動する建設作業従事者に対する補償制度は確立されていないことから、災害の補償責任を自ら負わざるを得ないことを問題視し、「建設作業従事者にだけ災害時に補償制度がない現行の災害対応体制は早急に見直すべき」と訴えた。

     

     補償に対して国交省は、「公共工事では現場の従業員、労働者に関する労災保険料を現場管理費の一部として予定価格に計上している。例えば、応急復旧において、作業員などに不測の事態生じた場合、労災保険が適用されると考えている」との見解を示した。

     

     全建によると、各建設業協会が国交省地方整備局や都道府県と結んでいる災害協定での補償の取り扱いにはばらつきがある。一部自治体では条例に基づいた補償が明文化されている一方、整備局との協定には具体的な明示がない。

     

     四国建設業協会連合会の主張は、危険な環境下で同様の作業をしているにもかかわらず、協定に基づく「要請」と法令に基づく「命令」の違いで補償の扱いに差が生じている現状に疑問を投げかけている。

     

     伊藤専務理事は、災害協定に基づく出動について、「2次災害が心配な場面で各企業は要請に応えるという使命感をもって出動する。要請を断ることは基本的にしない。出動命令とある程度同じ扱いで出ていく」とした上で、「協定の中身も国、都道府県、市町村で異なる。通常の現場とは異なる環境下で作業する場合の問題についてさらに議論を進めていきたい」と、協定での補償の明確化も含めた継続的な議論を呼び掛けた。

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    掲載日: 2018年10月29日 | presented by 建設通信新聞

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