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予定価格、「事前公表」都道府県の6割超/8割25団体は「切替予定なし」/「事後」移行に課題
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>2014年9月に閣議決定した「公共工事の入札および契約の適正化を図るための措置に関する指針」(適正化指針)で「事後公表すべき」とされている予定価格。事後公表が推奨される中で、47都道府県の6割を超す30団体が事前公表していることが国の調査によって明らかになった。その8割に相当する25団体は現段階で事後公表に切り替える予定はないという。 予定価格の公表時期は、国土交通省と都道府県の担当者が入札契約に関する意見を交わす「ブロック監理課長等会議」の主要テーマの1つになっている。
最新の「入契調査」の結果によると、ことし8月1日の時点で全国47都道府県の6割を超す30団体が予定価格の事前公表を実施(全件で事前公表が14団体、一部で事前公表が16団体)。39団体(全件29団体、一部10団体)が事前公表を採用していた07年9月との比較で言えば、改善こそしているが、依然として「事前公表」が根強い。
特に事前公表を実施している30団体のうち、全件を事後公表に切り替える予定(または検討中)としているのは2団体のみ。8割を超す25団体は事後公表に切り替える予定がないという。
実際に「事前公表から事後公表に切り替えることを検討している」とする団体が存在している一方で、大半が「事後公表に切り替える予定はない」としている点は大きなポイントだ。
その最大の理由は「予定価格を探ろうとする不正行為を防止するため」というもの。都道府県などの地方自治体にとっては、予定価格の事前公表が、入札における透明性の向上や、不正行為の防止に有効な手段として“市民権”を得ていることが分かる。
それを裏付けるように、全件で事後公表を採用している17団体のうち、13団体が企業からの不正な働き掛けに対するマニュアルを作成している一方、全件で事前公表を採用する14団体のうち、マニュアルを作成しているのは5団体でしかない。
予定価格の事前公表は、積算も行わずに入札した業者がくじ引きで受注するなど、適正な競争を阻害する要因にもなりかねないとの指摘がある。予定価格の漏えいなど、応札する企業からの不正な働き掛けに対する発注者側の“防衛手段”として継続されているケースも多い。
例えば、平均落札率やくじ引きの発生率をみても、適正な競争を阻害するような「弊害は生じていない」とする団体もあるように、それぞれの自治体の発注規模や、体制によっても考え方はさまざまあるのが実情だ。
特に予定価格の事後公表はあくまで“努力義務”。中小企業などで「予定価格を自社の見積もりの妥当性を推し量るための参考にしている」という声もあるように、事後公表への完全移行は決して一筋縄ではいきそうにない。
■入契調査
国土交通省と財務省、総務省が公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づき、特殊法人や地方自治体など公共工事の発注者を対象に入札・契約の適正化に関する取り組み状況などを把握する目的で実施している。
最新の2018年度の調査は、これまで「前年度末(3月31日)時点」としていた調査時点を「8月1日時点」に修正している点がポイントとなっている。
例えば、低入札価格調査基準(調査基準価格)など、自治体によっては4月に基準を変更するケースもあることに配慮。調査時点を「8月1日時点」に修正することで、より最新の実態を調査結果に反映させる。最新の調査結果は現段階では“暫定値”という扱いになっている。
残り50%掲載日: 2018年11月6日 | presented by 建設通信新聞