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  • 出入国管理法改正案 衆院法務委審議入り/特定技能/創設歓迎も懸念と不安/2号にキャリアアップ同等評価を

     新たな在留資格「特定技能」の創設を柱とする出入国管理法改正案の審議が衆議院法務委員会で始まった。深刻化する人手不足への対応のための法改正とあって、建設業界は基本的には“歓迎”の意志を示すものの、日本人技能者との処遇差や需要減少時の対応などを懸念する声も多数、挙がっている。 改正法案で創設する「特定技能」では、一定の日本語能力と「相当程度の知識または経験」を対象分野の所管省庁が定める試験などで証明した場合に取得でき、5年間の在留を認める「特定技能1号」と、1号で入国した外国人が移行するなど、より熟練した外国人材に付与し、家族の帯同や在留資格の更新による無期限での就労を認める「特定技能2号」に分けられる。

     

     大手ゼネコン幹部は「労務不足で事業が遅れないようにと、政府が考えてくれることはありがたい」と基本的には歓迎の意志を示す。ただ、政府が14日までに建設業の受け入れ見込み人数を2019年度に5000-6000人、5年目までの累計で3万-4万人とした推定値を踏まえ、大手ゼネコン幹部は「そもそも建設業界が、人手が足りない・確保しなければならない人数は1桁違う。その意味で、個人的には人手不足の解消になるとは思えない」(大手ゼネコン幹部)と指摘する。

     

     受け入れる外国人材についても、特定技能1号については「きちんとした人が入ってくる仕組みでなければならない」(大手ゼネコン)「不法就労者との切り分けもきちんとしてほしい」(同)と、人材の質に対する懸念の声が強い。また、「需要が減った時に帰ってもらえる仕組みも考えてほしい」(同)と、中期的に発生するとみられる国内での建設需要減退期への対応を指摘する声もある。特に実際に技能者を雇うことになる専門工事業者は「年間通じての繁閑の差もある。途中で契約を打ち切れるのか。5年の在留資格があるから、その期間は(雇用を)保証しろと言われたらどうすれば良いのか」と切実な不安を吐露する。

     

     「特定技能2号」については、既に技能実習制度で就労して日本語も堪能で職長クラスに相当する外国人技能者もいると言われる中で、期待する意見もある。一方で、「(2号に認められた技能者が)わがままになるのではないか」(専門工事業者)という声もある。それは「(熟練度が認められて2号になるため)給料を上げざるを得ない」という点とともに、「外国人は横の連携が強い。給料を上げた企業に2号の技能者が流れかねない」(同)という懸念だ。

     

     ある準大手ゼネコン幹部は、こうした懸念を踏まえ「建設キャリアアップシステムの中で、日本人と同じ評価でステータスアップする仕組みが必要だ」と指摘する。「2号」だから好待遇を受けられるのではなく、あくまでも日本人技能者と同じようにキャリアアップシステムの中での評価に応じて処遇するという考え方だ。

     

     いずれも運用段階での懸念や不安とも言えるが、新たな在留資格者に対する建設業としての対策が必要になるとみられる。

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    掲載日: 2018年11月19日 | presented by 建設通信新聞

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