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  • 話題縦横・国交省が2月に公共空間活用作戦会議/柔軟で多様、自由な発想で官民連携

    【“地域産業の目利き”建設業も提案を】

     

     国土交通省は、地方自治体の公的不動産活用の取り組みを広げるため、民間の柔軟で多様、自由な発想を採用する新たな取り組みを始める。2019年2月に公共空間の活用アイデアを持つ民間事業と自治体の対話型イベント「公共空間活用作戦会議」を開催する。同省の坂根工博官房審議官(総合政策局担当)は「地域の産業の目利きである建設業にも、公共空間の新しい使い方を提案してくれることを期待している」と積極的な参加を求めている。

     日本の不動産約2400兆円のうち、公的不動産は約570兆円と約4分の1を占める。大半は地方自治体が持つ公的不動産(約420兆円)だ。公的不動産は人口減少・少子高齢化の進行による、まちの構造変化や施設の老朽化、財政制約などさまざまな課題に直面しており、新たな発想・ノウハウの活用によるストック効果の最大化が求められている。

     

     国交省と内閣府が全国5ブロックで共催したPPP/PFI推進首長会議では、公的不動産活用をはじめとする官民連携事業に対して首長から、民間事業者ならではのアイデア・にぎわいづくりを望む声が上がった。官民連携にコスト削減や行政効率化だけでなく、行政だけでは考えつかない発想を求めるニーズは少なくない。

     

     他方、官民連携事業に取り組むに当たって課題と感じていることも明らかになった。多いのはノウハウ不足で、メリット・デメリットをはじめ、事業方式や官民対話の方法、人材育成など多岐にわたる内容が挙げられた。議会や住民との合意形成に不安を感じる首長もいる。

     

     そうした首長からの意見やこれまでの参入事例を踏まえ、公共空間活用作戦会議では、PFIだけに限定しない広義のPPPについて意見交換を行う。例えば、静岡県沼津市で利用者が減少していた少年自然の家を民間事業者がリノベーションした事例では民間都市開発推進機構と地元信用金庫による出資制度を活用。「泊まれる公園」というコンセプトが好評を博し、多くのメディアで取り上げられるなど成功につながった。

     

     坂根官房審議官は、PFIについて仕組みが難しいと感じている自治体があることを指摘。サービスを安く提供できるだけでなく、地元企業に参入余地がないと理解が得られにくいことも障壁となっているとし、「自治体ができることを、できる形で、それぞれの身の丈に合わせて」取り組むことが重要だと強調する。

     

     その上で、「公共空間はまちづくりのメディアだ」と公的不動産の活用に新たな視点を向ける。公的不動産を橋渡しとして、行政と住民や行政と民間などを結びつけて、まち全体を見直す契機として活用することを提唱する。「『あったらいいな』と想像するところから、集中・継続して、みんなで育て、楽しんでいく。PPP/PFIは公的不動産活用の目的でなくあくまで手段だ」

     

     公共・民間を含め地元で多くの事業者と関わりながら仕事をこなす建設業にも大きな期待を寄せる。地元建設企業が中心となっているプロジェクトである函南「道の駅」・「川の駅」PFI事業(静岡県函南町)や、オガールプロジェクト(岩手県紫波町)を例に挙げ、「請負だけに頼るのではなく、もっとこうあったらいいなと思うことを提案してほしい」と語った。

     

     公共空間活用作戦会議は、19年2月8日午後1時から東京都千代田区の3×3Lab Futureで開催する。内容は2部構成で、第1部は自治体と新たな視点で公共空間の活用に取り組む民間事業者とのトークセッション、第2部は民間事業者による公共空間の新たな活用方法に関するプレゼンテーションを予定する。

     

     参加を希望する自治体は27日、民間事業者は20日までにそれぞれの応募様式に必要事項を記載して申し込みが必要となる。申し込み先は有限責任監査法人トーマツパブリックセクター

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    掲載日: 2018年12月6日 | presented by 建設通信新聞

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