当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 大手ゼネコン各社/先端技術導入を加速/生産性向上へ、ロボットとの共存も視野

     生産性向上が喫緊の課題となる中、大手ゼネコン5社がIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、ロボティクスなどの活用に一層注力しようとしている。日刊建設工業新聞社が行ったインタビューや年頭訓示で、5社のトップが先端技術の導入拡大を明言。ロボットとの共存や自動化などを見据えた技術開発を加速させ、生産性向上につなげる狙いだ。

     

     「他社との差別化を図りながら成長を続けていくための最も重要な競争戦略は、建設プロセス自動化に代表される生産性向上だ」と話すのは大林組の蓮輪賢治社長。「IoT、AI、ロボティクスなどを活用した先端的技術開発について、態勢が整ったものから速やかに実行に移していく」との姿勢を示す。機械部を再編し、技術開発機能を併せ持った総合的な機械事業を展開するほか、異業種連携を積極的に進める考えも明らかにした。

     

     鹿島の押味至一社長は「土木は自動化、建築は『半分はロボット、半分は人』」との方向性を示す。18年に開始した中期経営計画では機械化や自動化のほか、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とコンストラクションインフォメーションモデリング(CIM)を活用した「スマート生産」への取り組みを掲げる。国内で生産年齢人口の減少が大きな課題となっている中で、同社は先端技術を使って難題に対処しようとしている。

     

     清水建設も「生産効率を向上させる技術を中心に進める」と井上和幸社長が話し、ロボットなどによる建設工事の生産性向上に照準を定める。同社は昨年、大阪市淀川区で施工中の超高層ホテルの建設現場に、自社開発ロボットを試験導入。資機材の自動搬送など3種類のロボットを作業に組み込んだ。19年から首都圏の大規模現場に水平展開していく方針で、井上社長は「ロボットの実証実験に着手するなど大きな一歩を踏み出した年」と18年を総括している。

     

     大成建設の村田誉之社長は「AIやロボットが当たり前になる時代では、それらをうまく取り入れることが企業として成長を続ける鍵」と強調。「職人がロボットを使いこなすようになれば、職人がより緻密で一段レベルの高い仕事ができるようになる」と考える。目指す将来像は「職人とロボットとの共存」。こうした取り組みを進めることが、建設業のイメージアップにもつながると見ている。

     

     竹中工務店の宮下正裕社長は「生産性向上は喫緊の課題。今年は作業効率を上げるためプレキャスト化やロボット導入などを進めていく」と語る。「デジタル化のさらなる推進により抜本的生産性向上を図るとともに、多様性を尊重し、柔軟な働き方ができる職場を実現する」のが基本戦略という。業務効率化が進むことで、余剰時間を生み出し、より創造的な仕事に取り組むような好循環につなげていく。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2019年1月15日 | presented by 日刊建設工業新聞

前の記事記事一覧次の記事