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最先端技術の導入拡大/除雪作業支援/北海道開発局はAR 白馬村5G 加賀市IoT
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>冬季の積雪地域を中心に除雪作業の担い手不足が深刻な問題となる中、最先端技術を使って作業を支援する取り組みが広がっている。国土交通省北海道開発局がAR(拡張現実)を使った除雪作業効率化技術を公募しているほか、長野県白馬村は5G(第5世代移動通信システム)を使った除雪車支援の実証実験を開始。石川県加賀市は、IoT(モノのインターネット)を活用した除雪車運行システムを導入した。マシンコントロール(MC)技術を除雪車に導入する動きも群馬県や北陸、東北地方で始まっている。
白馬村とKDDIは、立命館大学と金井度量衡(新潟市、金井利郎代表取締役)の協力を得て、5Gを使った除雪車支援の実証試験を17日から開始した。5Gを使って除雪車の運転席に設置した5Gタブレット上に積雪のない夏場の状況写真を表示する。熟練の除雪車オペレーターは、雪の下に埋もれているマンホールや縁石などの道路構造物を頭に入れて障害物に引っかからないようスムーズに作業する。このシステムの導入で、未熟練者や豪雪災害時に応援に駆け付けた除雪車オペレーターも、雪の下の障害物を見ながら円滑に作業できると期待している。
群馬県でも、路面の高さやガードレールなどの位置情報をMCグレーダーに事前入力することで、手動で制御していた除雪ブレードの上下動を自動制御する技術の試行を始めた。ガードレールや縁石など側方の道路構造物に近づくと警報が鳴る機能も設け、熟練オペレーターでなくても、路面やマンホール、付属物の損傷、雪のかき残しを防げる。MCグレーダーの導入については、国交省の北陸地方整備局や東北地方整備局でも検討が進んでいる。
北海道開発局では、視界不良時の作業効率化に向け、ARの活用を狙う。準天頂衛星などを活用した自車位置測位と道路の3Dモデルデータを組み合わせ、モニターで視覚的な表示ができるガイダンスシステムを構想しており、実証実験も予定している。
石川県加賀市は、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「MicrosoftAzure」を搭載した北菱電興(金沢市、小倉一郎社長)の除雪車運行システム「スノプロアイ」を採用した。IoTで、各除雪車の現在位置や除雪完了場所を地図上にリアルタイムで表示するため、大雪時でも効率的に除雪車を運行できるほか、除雪車のカメラで撮影した道路状況を市が確認でき、市民への問い合わせにもスムーズに答えられる。除雪費の計算も自動化し、報告書作成負担の軽減にもつながる。
最先端技術の導入によって、熟練者でなくても効率的な除雪作業が可能になれば、担い手確保にも光明が差すことになる。
残り50%掲載日: 2019年1月21日 | presented by 建設通信新聞