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  • ExcelとBIM連携/短時間で気流解析/地所設計 初期設計を高速化

     三菱地所設計が開発した「ExcelでできるBIM」は、BIMデータと対応ソフトに世界的な汎用ソフトのExcelを連携させることで、設計から施工、運用管理まで利活用できるシンプルで広がりがある仕組みとシステムを構築している。現存する情報との連携やBIM本来のプロセス・情報の重要性を重視し、カタログと図面の整合や仕様のデジタル化、初期設計の高速化に貢献。さらに気流解析などシミュレーションの短時間化、自動化など、画期的なものとなっている。

     

     開発コンセプトに「BIMをより身近に」を掲げた同社のBIM開発の取り組みは、2014年にデジタルデザイン室を発足させて本格化。15年からメーカーとCSVを連動したBIMパーツを開発し、「ExcelでできるBIM」を目指して現存の情報との連携やカタログと図面の整合、仕様のデジタル化に着手した。16年からは設計の建築情報の自動入力やBIMパーツの自動配置、属性情報の自動入出力など初期設計の高速化に挑戦。18年度からは共同開発者のアドバンスドナレッジ研究所とCFDモデルの自動作成やCFDパーツの自動配置、Excelデータ活用・整合などによるシームレスな検証に取り組むとともに、開発技術をフル活用し設計フローとの融合と技術を結ぶワークフローの確立を進めている。

     

     システムの構造は、これまでダイレクトに連携しようとしていたBIMデータとBIMソフトウェアにExcelを連携させるシンプルなもの。汎用データExcelの情報もいわゆる行列配置で、設計や施工の各段階で必要な情報を随時追加・更新できる。設計者と関係者が共有すべき汎用データExcelの情報の集合体・マザーデータをつなぎあわせてコラボレーションすることになる。作業効率の飛躍的な向上やフロントローディングのストレス軽減に加えて、将来は設計検討サイクルの循環や設計品質の向上が期待される。

     

     設計の効率化では、製品の寸法などが盛り込まれた各社の見積もりシステムなど現存するシステムのバックデータを活用。設計とメーカー双方にメリットがあり、将来的な広がりがあるパーツを開発した。初期設計の高速化では、従来から使用している「Excel」を改良し、「Dynamo」で「Revit」と連携させることで取り組みやすくした。

     

     シームレスな検証では、設計初期段階で重要な気流解析などのシミュレーションによるリスク予測をスピーディーに実現。従来のBIMでは形状の再現にとどまっていたものをExcelで作成した条件表や吹出口情報で従来の対応を大幅に超えた連携を可能にした。空気調和・衛生工学会が開発している汎用パーツなどとも連動させ、自動配置して風量などの属性を反映し解析を実行する。従来の作業では1日単位を要した解析作業はRevit操作、CFDを含めて約30分程度と大幅な効率化を実現。これまでは専門の担当者を必要としていたものの、一般の設計者でもBIMデータからシミュレーション結果が得られる画期的なシステムを構築した。

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    掲載日: 2019年1月24日 | presented by 建設通信新聞

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