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鹿島/中低層向け制震装置/コンパクトで低コスト
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>鹿島は、超高層建物用の超大型制震装置TMD「 DSKY」(ディースカイ)をコンパクトで低コストに改良した中低層建物向けの「ディースカイ-c」を開発した。施工中の「宗家源吉兆庵銀座新本店新築工事」や「(仮称)芝浦グループ銀座ビル新築工事」で採用が決まっているほか、複数の案件で適用の検討を進めている。
市街地中心部や繁華街に位置する高さ30-60m程度の中低層建築物は、敷地面積の制約で既存の制震装置が設置しにくく、有効床面積の減少といった問題もあり、防災意識の高まりに対して十分な課題解決策を提供できていなかった。
ディースカイは、建物に設置したおもりの揺れで長周期地震動を含む大地震時の揺れを大幅に低減する制震装置。おもりには、 分割して揚重しやすい鉄板製を採用しており、 おもりの揺れる周期を建物の揺れの周期に同調させるための支持機構はワイヤ懸垂式としている。 設計の想定を超える巨大地震が発生した場合に、おもりの動きを安全に制御するための高機能オイルダンパーも採用している。
ディースカイ-cでは、中低層建築物の屋上にコンクリートを打設しやすい点を生かし、おもりをコンクリート製にして大幅な低コスト化を図った。中低層建築物の場合、揺れる周期が短いため、ワイヤ懸垂式の支持機構ではワイヤが短すぎて十分に動かせないことから、支持機構に積層ゴムを採用。小型で大変形を許容する中空の積層ゴムを東京都市大の西村功教授と新たに開発して小型化と低コスト化を実現した。モルテンが製造に協力した。オイルダンパーは、高機能オイルダンパーと同等の機能を実現するため、センクシアの協力を得て機構がシンプルな制御バルブを開発した。ダンパーの小型化・低コスト化が図れる上、超高層用のディースカイにも適用できる。
おもりの重量は建物重量の2-3%で、1台で2方向の揺れを制御する。10階建ての場合、建物の揺れを2分の1から3分の2に低減できる。風揺れから大地震までさまざまな種類の揺れに効果を発揮する。装置のサイズは、屋上床面積の4分の1から3分の1程度で、おもりを設備架台として利用できる。電気を使わないパッシブ型制震装置のため、既存建物内部に影響を与えずに制震化できる。
残り50%掲載日: 2019年1月25日 | presented by 建設通信新聞