建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
2019年業界を読む・橋梁(8)
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【持続的成長へ次なる一手/新機軸 より鮮明に】
中期経営計画などに基づく事業展開がおおむね順調に推移する中、橋梁各社のトップは国内で新設橋梁の発注増が見込めない状況下での「持続的成長」を経営戦略上のキーワードに掲げる。各社は補修・保全分野への対応強化や海外展開の加速、生産性向上に向けた設備投資などに力を注いでおり、得意分野を生かした新機軸の創出に向けた道筋がより鮮明になりつつある。
横河ブリッジホールディングスの藤井久司社長は新設橋梁の大幅な増加が見込めない状況下で、安定的な成長に向けた戦略として、システム建築、海外、アルミ合金製常設足場による補完を位置付ける。システム建築については、茂原工場(千葉県茂原市)の建設で生産体制を強化。将来的には「売上高1000億円を目指したい」と目標を定める。
補修・保全分野では、グループ内の連携を生かした取り組みもさらに加速しそうだ。川田テクノロジーズの川田忠裕社長は、新橋の発注量が伸び悩む中、補修・保全分野で補う傾向は「今後さらに顕著になる」とし、既にJVでの受注実績がある川田工業と川田建設の連携強化を推進する。IHIインフラシステムも、IHIインフラ建設との連携強化によって、コンクリートとメタルの双方での受注活動に力を入れる。
日本ファブテックも、成長路線の1つにリニューアルを位置付け、異業種JVへの参画などの取り組みを引き続き強化する。OSJBホールディングスの大野達也社長は、「補修・補強分野でオリエンタル白石と日本橋梁のシナジーを出していきたい」とし、多種多様なメンテナンス技術を駆使した戦略を展開する。
生産性向上に向けては、宮地エンジニアリンググループが千葉工場の改革に乗り出した。改革に当たっては、社長直轄のプロジェクト本部を設置。同社の青田重利社長は、構内ヤード管理システムの構築による効率化や、塗装工場の再構築で、「ファブリケーター(鉄骨の加工・製作・据え付け)としての競争力を強化する」と意気込む。
日本ファブテックは採算性や生産性の向上に向け、新たな原価管理システムを導入する。プロジェクトごとの損益を途中段階で把握して問題点をあぶり出し、採算性向上などにつなげる。同社の小野重記社長は「マイナス要素を把握して利益を出せる体質にしていく」とシステムの効果に期待を寄せる。
駒井ハルテックの田中進社長は、橋梁、鉄骨、環境の3事業の融合による新機軸として、「将来的には、スマートシティーなどにも携わっていきたい」とまちづくりへの参画を打ち出す。2020年度からの次期中期経営計画ではICT分野や、スマートインフラ、スマートシティーへの取り組みなど、具体的な方向性を示したい考えだ。
海外展開では、IHIインフラシステムがグローバル化を加速させる。同社の川上剛司社長は、200億-300億円の売り上げをコンスタントに確保するため、「19年度までに海外工事が常に10件以上ある状況にしたい」と目標を設定する。
横河ブリッジホールディングスも、設計、製作などのトータルエンジニアリング力の発揮による海外での安定的な売り上げ確保を目指す。将来的には新設から保全まで対応できる一貫体制の構築も視野に入れる。
海外では合併後初となるODA(政府開発援助)案件をバングラデシュで単独受注した駒井ハルテックの田中社長は、「将来に向けた実績を積むために取り組んでいきたい」と、海外案件の受注に前向きな姿勢を見せる。 (岡部敦己)
残り50%掲載日: 2019年1月25日 | presented by 建設通信新聞