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M字屋根7.5m移動/銀座線渋谷駅工事/東京地下鉄
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【始発まで3時間の難工事/構台で高精度連続組立】
東京地下鉄が約290億円を投じて東京都渋谷区で進める銀座線渋谷駅移設工事。その象徴となるM型アーチをスライド工法でつなげる屋根工事が順調に進む。営業路線を生かしつつ、限られた作業スペースと終電後の短時間という制約がある難工事だ。同社は7日、屋根工事としては初めて報道関係者に公開した。 =1面参照
プロジェクト名は「銀座線渋谷駅上屋設置その他に伴う土木・建築工事」。設計はメトロ開発と内藤廣建築設計事務所、施工は東急建設・清水建設・鹿島JVが担当。渋谷駅街区基盤整備と連携して東急百貨店3階にある駅舎を東側に約130m、JR線と渋谷ヒカリエの間を走る明治通り上空に移設する。
屋根はスライド工法で構築する。まず、銀座線直上に設置した作業構台で組み立てと外装材を取り付けた後に、ウインチや滑車などで7.5m移動する。構台が空いたところで、次の屋根を組み立て前方の屋根と接続してさらに7.5m押し出す。これを繰り返すことで全長約110m、重さ約1500tの屋根が完成する。
同工法は大型スポーツ施設や体育館などの屋根工事に見られるが、同社の建設工事では初適用となる。18年11月に1回目、1月に2回目のスライドが完了した。3回目となる今回は、幅25.2×長さ22.5×高さ7.7m、重さ290tの屋根をJR渋谷駅側に約40分かけて7.5mスライドした。8月の完成まで9回スライドする。現在約57mが組み上がり、屋根工事の進捗率は出来高ベースで約30%という。
三丸力東京地下鉄第二建築工事所建築第三課長は「午前1時の終電から4時の始発まで約3時間という短時間での工程管理が重要になる」、東急JVの岡本哲所長は「営業列車の安全と明治通りへの落下物対策」を工事のポイントに挙げた。
特徴的なM型の屋根は、周囲への圧迫感低減と上部に設置するスカイデッキの構造強度を高める効果がある。1スパン2.5mのM型フレーム45本はすべてサイズが異なるため、難易度が高い組み立てになるが、これを実現したのが「日本有数の鉄骨メーカー」(三丸課長)である巴コーポレーションの技術力だ。
銀座線渋谷駅は、屋根工事完了後にホーム設置や内装、線路切り替えなどを経て、21年度の完了を迎える。三丸課長は「建築、土木、軌道など複合する部分をしっかり協働する」と意気込む。
残り50%掲載日: 2019年2月8日 | presented by 建設通信新聞