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  • 鹿島/堤体盛り立て8割自動化へ/成瀬ダム本体工に導入、19年春から試験施工

     鹿島は、国土交通省東北地方整備局が秋田県で計画している「成瀬ダム堤体工事」への自動化施工導入に向けて、今春から試験施工に乗りだす。次世代型建設生産システム「クワッドアクセル」により、二十数台の重機を自動運転させる計画。堤体の盛り立て作業の約8割程度が自動化の対象になる見通し。建設地が豪雪地のため、雪解けを待って試験施工に向けた準備を始める。20年春の雪解け後から、自動化施工による本格的な堤体構築に取りかかる予定だ。

     

     成瀬ダムの計画地は東成瀬村椿川地内。洪水調節や用水供給などが目的の多目的ダムで、堤高114・5メートル、堤体積485万立方メートル、総貯水量7850万立方メートルの規模。現地発生土材とセメント、水を混合した材料「CSG」を用いて台形の堤体を構築していく。台形CSG型式を採用したダムとしては国内最大となる。

     

     堤体打設工事(第1期)を鹿島・前田建設・竹中土木JVが手掛けている。第1期でのCSG打設量は351万5700立方メートルを見込む。

     

     クワッドアクセルは、タブレット端末から指示を出すことにより、自動ダンプトラックと自動ブルドーザー、自動振動ローラーが連携して、自動・自律的に堤体の盛り立て作業ができる。鹿島は、水資源機構から受注した「小石原川ダム本体建設工事」(福岡県朝倉市)に試験適用し、実用化のめどを付けた。

     

     小石原川ダムでは自動化重機が3台にとどまっていたが、成瀬ダムでは23台程度を投入する予定。今後の課題には、自動化建設機械に故障が発生した際の工程の再構築といった現場でのマネジメントを挙げる。人工知能(AI)を活用したシミュレーションなどにより、トラブル発生時に求められる対応などを検討していく。

     

     成瀬ダムの外部コンクリート打設には、打設後の脱型から次の打設場所へのスライド、型枠のセットまで一連の作業を全自動化した「全自動スライド型枠」も適用する。鹿島は「自動化した機械が主体となってダムを施工するのは本邦初であり、自動化技術を集約していく」(機械部)としている。

     

     成瀬ダムの設計は日本工営が、監理は東北地域づくり協会・シビル設計・みちのくコンサルタント設計JVが担当している。

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    掲載日: 2019年2月8日 | presented by 日刊建設工業新聞

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