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  • 労務費補正の行方に焦点/週休2日が進展/労務単価に吸収

     3月1日から適用する新たな労務単価が決定した。単価の設定が公共工事に従事した労働者に対する賃金の支払い実態を集計した「労務費調査」をベースにしているとすれば、建設産業にとっての次なる焦点は、2018年度から導入している“週休2日対応”としての『労務費補正』の行方だろう。全国平均で3.3%という上昇が示す意味合いとは--。動向を追った。 「労務費補正」は、週休2日の実施など、建設企業が「働き方改革」の推進に取り組むことができる環境の整備(必要経費の計上)として、国土交通省が導入した労務費(労務単価)に対する補正係数を指す。

     

     「4週8休」「4週7休」「4週6休」の3段階の補正係数を用意。日給月給制である場合に休日の拡大が給与の目減りを招くことになる技能者など、内外で指摘されていた休日の拡大(週休2日)に伴う労働者の賃金の低下をカバーするという狙いがある。

     

     17年度から週休2日(4週8休以上)を実施した場合の間接費(共通仮設費、現場管理費)の補正を導入していたが、より一層の対応が必要と判断。18年度から新たに機械経費(賃料)や労務費(労務単価)に対する補正の導入に踏み切っていた。

     

     その「労務費補正」(補正係数)の“根拠”となっているのが、労務単価を設定するための基礎資料となる「公共事業労務費調査」。

     

     公共工事に従事した労働者に対する賃金の支払い実態を集計する、この「労務費調査」の結果として導き出される労働者の賃金の実態(労務単価)と、週休2日に対応した現場で働く労働者の賃金との“差”が、いわゆる“補正係数”の数字に置き換えられるというわけだ。

     

     仮に「週休2日」の普及によって、労務費に対する補正係数の導入に踏み切った18年度(17年度の労務費調査)よりも、労務費調査の対象工事に占める「週休2日」工事の割合が上昇しているとすれば、実態としての“賃金の差”は、全体としての労務単価の上昇に吸収されていくという理屈が成り立つ。

     

     一般論として「週休2日」工事に対する補正係数の導入は、普及への“過渡期”に行われる対応ということになる。仮にすべての工事が「週休2日」工事になれば、わざわざ労務単価(労務費)を補正する必要はなくなるからだ。

     

     働き方改革の推進をターゲットに、建設企業における労務費の引き上げを含む積極的な対応(労働者に対する賃金の支払い)が進んでいる、あるいはその結果として全国平均で3.3%の労務単価の上昇につながっているとすれば、週休2日を実施した場合に補正すべき“賃金の差”は労務単価の上昇に転嫁されていることになる。

     

     新たな労務単価が全国平均で前年度の伸び率(2.8%)を超す上昇率となっていることからすれば、現行の補正係数を下げるという判断があっても驚くことではない。

     

    ■直轄工事における「週休2日補正」

     

     直轄工事は、週休2日の実施など、建設企業が働き方改革の推進に取り組むことができる環境の整備(必要経費の計上)として、2018年度から労務費(労務単価)に対する補正を実施。「4週8休=1.05」「4週7休=1.03」「4週6休=1.01」の3段階の補正係数を用意することで、休日の拡大(週休2日の実施)に伴う労働者の賃金の低下への対応を図っている。

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    掲載日: 2019年2月27日 | presented by 建設通信新聞

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