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  • 人事戦略2019(6)/設備

    【予定枠確保に苦戦する企業増加/即戦力の中途採用にも注力】

     

     設備工事29社の2019年4月入社予定の新卒者総数は、前年実績比3.3%減の2810人で、このうち技術系社員は3.1%減の2528人となった。企業側の新卒採用意欲が依然高い中、29社の単純合計では微減といえるが、就活を取り巻く環境は売り手市場に加えて、学生の志望先も多様化しており、エントリー者数が減る傾向がみられる。選考途中での辞退や内定者の辞退も一定程度あって、約6割に当たる17社が、採用予定枠を最終的に確保できず、将来を担う人材確保に苦労する企業が増えている。企業は即戦力となる中途採用にも力を入れる傾向が続いている。

     

    1653【設備工事の新卒・中途採用状況】
    単位は人数。新卒は該当する年の4月採用で、カッコ内は技術系。中途は該当年度見込みで、技術系と事務系の総数。「-」は未定

     

     電気・通信系17社の新卒者合計は、3.6%減の2212人。12社が前年より採用数を減らし、4社が増加、1社が前年と同数だった。大手層は現場で作業に当たる技能職社員を含んでいるものの、最多は九電工の370人で、関電工が332人、きんでんが329人と3社が300人を上回っている。技術系社員の合計は3.6%減の2026人となっている。

     

     空調系12社の新卒者合計は2.0%減の598人。前年と比べ増加、減少とも6社だった。このうち技術系社員は1.0%減の502人となった。

     

     新卒の女性社員の総数は前年比3.6%減(10人減)の274人。電気・通信系は2人増の175人、空調系が12人減の99人となっている。

     

     外国人の19年4月採用は、18年4月採用から半減の12人。電気・通信系は前年と比べ6人減の3人、空調系が6人減の9人だった。

     

     新卒採用の状況を聞いたところ「予定どおり確保できた」が8社、「予定枠の確保に苦労した」が4社、「最終的に予定枠を確保できなかった」が17社となり、昨年よりも9社増え、採用に苦戦した企業が多かった。

     

     採用担当者からは「他社が内定を出すのが早く、選考途中での辞退が増えた」「学内・社内説明会の人数確保に苦労した」「採用母集団の確保に苦労した」「学生の志望先が多様化し、苦戦が続いている」「学生の内定承諾返答が遅く、内定者の確定に時間を要した」「8月以降に内定辞退が増えた」「辞退者が多かった」「エントリー数が減少した」といった声が寄せられた。また、「採用活動の動きが年々早まっている」「各社の選考早期化が加速している」とする企業もある。

     

     未回答の1社を除く、28社の中途採用の18年度見込み総数は、前年度実績比0.2%増(2人増)の842人。このうち、電気・通信系(16社計)は8.8%増の649人となった。一方で空調系は21.0%減の193人にとどまり、状況が分かれた。中途採用に積極的なのは、電気・通信系が関電工や日本コムシス、協和エクシオなど、空調系では富士古河E&Cや三建設備工業などとなっている。

     

     処遇面での改善では、関電工が初任給3000円アップ、協和エクシオが大卒初任給3000円アップ、高砂熱学工業が初任給1万3000―2万円アップ、新日本空調が4月入社大卒基本給1万5000円アップ、三建設備工業が大卒初任給1万円アップと5000円のベースアップの実施を決めている。また、ジョンソンコントロールズと朝日工業社も初任給を引き上げる予定だ。

     

    (松下敏生)

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    掲載日: 2019年3月6日 | presented by 建設通信新聞

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