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  • 「事業促進PPP」活用/円滑導入へ環境整備/国交省 整備局向けに解説書

     国土交通省は、自然災害からの復旧・復興など、多くの工事・業務が 輻輳(ふくそう)するような大規模なプロジェクトを対象に、事業促進PPP(事業監理業務)の積極的な活用に乗り出す。その標準的な実施体制や業務内容、留意事項などを示す『事業促進PPPに関するガイドライン』を作成することで、各地方整備局が 迅速かつ円滑に導入できる環境を整備していく。 6日の発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会「業務・マネジメント部会」に、直轄事業への適用を念頭に置いた「事業促進PPPに関するガイドライン(案)」を提示した。

     

     近年、大規模な自然災害が頻発化する中で、東日本大震災からの復興道路・復興支援道路や 熊本地震における災害復旧などで、その効果を上げている 事業促進PPPを円滑に活用できる仕組みづくりが必要と判断。三陸沿岸道路や熊本地震からの復旧(国道57号の復旧ルート整備)といった過去の事例を検証して、各地方整備局にとっての“解説資料”とすることが狙い。

     

     受発注者双方の技術者が持つ多様な知識・経験を融合させることで、効率的な事業進捗を可能とする事業促進PPPは、官民の知識・経験を融合させる全体のマネジメント業務を民間に委託する仕組みを指す。

     

     官民の「連携」あるいは「知識・経験の融合」がキーワードになっているように、直轄の技術職員を中心とした発注者チームとマネジメント業務を担う民間の技術者チームがパートナーシップを組んで事業計画や関係機関との調整、全体工程の改善などを実施。調査・設計や施工といった事業の各段階で、それぞれの受注者が持つ技術力を最大限に引き出していく。

     

     事業促進PPPの導入によって、予算や契約に関する最終的な判断・権限を持つ発注者と調査・設計業務の受注者、工事を担う施工者の緊密な連携を推進。そこに調査・設計といった事業の上流段階から施工者の知見を的確に反映することができる技術提案・交渉方式(技術協力・施工タイプ=ECI方式)を組み合わせれば、より効率的な事業の進捗が可能となる。

     

     業務内容や実施体制、受注者の選定方法といった導入に関する一連の流れと、現状の課題、留意点などを整理するガイドラインを用意することで、災害復旧だけでなく、通常の事業での今後の各地方整備局の活用に弾みをつける。

     

    ■参加意欲かき立てる対応が必要/“受注制限”の緩和も検討課題

     

     近く正式に決定する「事業促進PPPに関するガイドライン」に、業務説明書や特記仕様書の記載例などを盛り込むことで、各地方整備局が必要なときに、円滑に導入できるだけの一定の環境は整えることになるが、実際に事業促進PPPに参画する建設コンサルタントやゼネコンといった民間企業にとってのハードルは依然として高い。

     

     例えば、かねて指摘されているように、事業促進PPP(事業監理業務)に配置される技術者は、その期間に行われる他の業務や工事に配置することができない、あるいは一般的に発注者サイドに立つ事業促進PPPの受注者は、公平性・中立性の観点からその後の実際の業務や工事に参加できないために事業促進PPPに対する参加意欲が高まらないという声も多い。

     

     既に2018年度から事業促進PPPにおける実績を、次なる工事や業務の入札で評価する取り組みを試行(19年度も継続)しているが、民間企業の参加意欲をかき立てるための適切なフィーの設定や、実際の工事・業務における、いわば“受注制限”の緩和など、より一層の対応が必要になるという意見もある。

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    掲載日: 2019年3月7日 | presented by 建設通信新聞

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