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鹿島/電気制御でRC造適用/超大型制震装置を拡張、振動周期変動に対応
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>鹿島は、既存超高層建物用の超大型制震装置TMD(チューンド・マス・ダンパー)「DSKY」(ディースカイ)を拡張し、地震や経年変化により振動周期が変動するRC造構造物への適用が可能なセミアクティブ制御(電気制御)式の「DSKY-RC」を開発した。TMDの周期を制御するにはおもりの支持材(吊り材や積層ゴムなど)の剛性の調整が必要だが、おもりの重量が数百tに達する大型TMDの支持材の剛性を変化させることは容易ではない。ディースカイ-RCは、おもりの支持材と並行に設置したオイルダンパーの抵抗力(減衰係数)を切り替えるだけで、TMDの周期を制御する全く新しい支持機構を採用することで、この課題を解決した。
ディースカイ-RCは、おもり、複数段の支持材、オイルダンパー、センサー、コントローラーで構成。新開発のアルゴリズムを実装したコントローラーが、TMDを設置した場所の加速度のみを使って建物の振動周期を判定し、支持材と並行に設置したオイルダンパーの減衰係数を、わずかな電力で瞬時に切り替える。オイルダンパーの発生力は、TMDに必要な減衰抵抗だけでなく、支持材の動きを制限する抵抗力としても作用するため、減衰係数の切り替えのみでTMDの周期調整が可能になる。
効果・特長として、新開発の制御アルゴリズムにより、年単位の長期的な周期変動だけでなく、地震動の最中に変化する構造物の振動状態に追従し、揺れを効果的に抑制する。TMDを設置した場所の情報だけで建物の振動周期を判断するため、それ以外の場所へのセンサーやコントローラーの設置や配線は不要だ。
消費電力は制御時でも150ワット程度とわずかであり、小型の無停電電源装置(UPS)で停電時にも作動する。万が一の断電時にはパッシブ型のTMDに切り替わり、さらに設計想定以上の地震時にも、おもりの動きを安全に制御するソフト・ハード両面のファイルセーフ機能を内蔵した。また、屋外使用(全天候型)に対応しており、建物屋上や煙突など、さまざまな場所に設置できる。
同社は、2013年にディースカイ、ことし1月に中低層建物向けのディースカイ-cを開発し、建物規模や新築物件・既存改修を問わず、大地震対応型のTMDの適用を進めている。今回のディースカイ-RCの開発により、これまで適用実績のなかったRC造の超高層マンションや超高煙突などにも大地震対応型TMDの適用が可能になった。
残り50%掲載日: 2019年3月15日 | presented by 建設通信新聞