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  • ビルメンテを効率化/アクセラレーター事業化初弾/高砂熱学が10月開始

     高砂熱学工業は4日、アクセラレータープログラムによる初弾の事業化を10月をめどに始めると発表した。同社とLiLz(沖縄県西原町)、グループ会社の高砂丸誠エンジニアリングサービスの3社で、ビルメンテナンス現場業務の効率化と品質向上に役立つサービスとなる、IoT(モノのインターネット)カメラと機械学習でメーターの読み取りを自動化するクラウドサービス「LiLz Gauge(リルズゲージ)」を共同開発した。LiLzの事業として実施し、高砂グループ外にも販売代理店を活用し広く展開する。サービスの開始から3年間でサービス適用メーター数3万個を目指す。

     

     大規模なビルや工場、病院施設には、圧力計や温度計、電流計など多くのメーター類が取り付けられており、設備の異常を早期に発見するために、点検作業員が日々現場を巡回して、メーターの指示値を目視で読み取って記録するなど、点検に多大な労力をかけている。

     

     LiLz Gaugeは、専用IoTカメラで撮影したメーターの画像から自動的に指示値を読み取って、正確なデータを表示・記録することができるクラウドサービス。撮影からクラウドにアップロードした画像を解析し、デジタル値として表示・記録するまでを自動している。

     

     このサービスによって、点検作業員の負担を大幅に軽減する。高砂丸誠エンジニアリングサービスが管理する延べ約6万㎡の工場施設でのシミュレーションでは、LiLz Gaugeの導入で、点検作業員による日常巡回点検作業時間を、点検作業員の移動時間も含め、1日当たり7.8時間から同3.3時間と2分の1以下にまで削減できる見通しを得ている。

     

     また、メーター読み取り作業の自動化によって、多くのデータが取得でき、取得したデータを機械学習、より精度の高い分析が可能となり、異常の早期発見など、最適な設備保全の実現につなげることができる。

     

     専用のIoTカメラは、Braveridge社製で、3年間の長期稼動を実現する低消費電力設計。1台で複数のメーターを監視するほか、望遠レンズの装着で、5m程度遠方のメーターも監視できる。外形寸法は少し厚めのCDケース程度、重さは約300グラム。

     

     サービスの提供は、IoTカメラが2万円前後、BLE―LTEルーターが1万5000円程度、クラウド利用料や解析料はカメラ1台当たり月額500円からを予定している。1施設当たりのサービス適用メーター数は100個以上を見込む。

     

     高砂熱学工業は今夏までに、LiLzと専用カメラの信頼性テストを積み重ね、サービス開始に備える。将来的には、音による異常検知やほかのセンサーとの連携も視野に入れている。

     

     アクセラレータープログラムは、スタートアップ企業のアイデアや技術を活用し、同社が開発資金や実証試験フィールドなどを提供して、新たなビジネスやサービスを創出するオープンイノベーションの取り組み。LiLzは、第1回プログラム(2017年度募集)で選ばれていた。

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    掲載日: 2019年4月5日 | presented by 建設通信新聞

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