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炭素繊維複合材ケーブル使用のPC床版/東京製綱インターナショナル、オリエンタル白石
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【工程15%短縮 実適用段階へ】
東京製綱インターナショナルとオリエンタル白石は、炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)を使ったプレキャストPC床版「CFCCスラブ」を開発した。一般的な1方向PC(プレストレスト・コンクリート)床版に比べて床版部の取り替え工程を15%短縮できる。輪荷重走行疲労試験などを完了し、実橋への適用段階に入る。 鋼橋での床版の新設・更新工事では、工期短縮や耐久性向上、生産性向上を図るため、プレキャストPC床版の採用が増えている。
CFCCスラブは、腐食しないCFCCを緊張材に使用する。一般的なPC床版では、床版支間方向はPC鋼材で緊張し、橋軸方向は鉄筋で補強する1方向の緊張を採用するものの、CFCCでは床版支間方向をプレテンション方式、橋軸をポストテンション方式で緊張する2方向とした。また、支間方向にも緊張材以外の補強材が必要となるが、短繊維の補強コンクリートを採用することで補強材を削減でき、同じ床版厚さのPC床版に比べて重量を6%削減できる。曲げ破壊性状(耐力、靭性)や押し抜きせん断耐力は、PC鋼材と鉄筋を使った2方向PC床版と同等であることを実験で確認できた。輪荷重走行疲労試験では、耐用年数100年に相当する指標値の約300倍まで載荷しても破壊しなかった。
緊張材が腐食しないため、塩害環境でのかぶり厚を増やす必要がなく、劣化の原因物質が入り込まないようにするための合成桁ズレ止用孔や排水桝周辺への緊張材配置が可能になる。従来は連続繊維の緊張材でもポストテンション方式の定着部に金属製品を採用する必要があったものの、CFCCでは完成時に金属を残さない定着構造を採用。海岸付近や凍結防止剤が散布される地域などでの活用が期待できる。道路橋示方書における耐久性確保の方法としては、「方法3」(劣化の影響がないとみなせる材料・耐久性に優れた材料の使用)に該当する。
全体工事費は、塩害対策地域で橋長240mの場合、13-22%程度の増加となる。
今後、国内だけでなく、米国など海外への展開も視野に入れる。
残り50%掲載日: 2019年4月10日 | presented by 建設通信新聞