建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
地盤アンカー/定着をデータで確認/熊谷組 建築物本設に適用
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>熊谷組は、大口径鉛直型本設地盤アンカー工法「STK-IIアンカー工法」で、アンカーが定着層に到達したことをデータで確認できる技術を開発した。同工法の設計施工指針に追加し、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。今後、主に定着層の傾斜や凹凸が想定される場合に適用するほか、山留め壁などの仮設地盤アンカーにも適用する予定だ。
地盤アンカーは、山留め壁などの仮設構造物のほか、建築物の浮き上がりを抑えるために本設構造物にも適用することがある。アンカーを定着層に確実に定着する必要があるため、施工時には設計時に実施するボーリング調査で定着層深さを設定した上で、地上に排出する削孔水やスライムを目視で確認したり、削孔機の振動や削孔スピードなどを確認する。ただ、地層によっては判断が難しかったり、オペレーターの感覚に頼ることが多い。
今回開発した技術は、ロータリーパーカッションドリルにセンサーなどを取り付け、削孔用ケーシングに与える給進圧力(押し込む力)、回転圧力(回す力)、打撃圧力(打ち込む力)を計測し、3つの圧力の総和を「総貫入エネルギー」として算定し、機械に取り付けたモニターに表示する。モニターには、回転圧力や打撃圧力なども表示できる。
定着層に到達したかどうかは、深度ごとの総貫入エネルギーの分布(表示されるグラフの形状)で判定する。STK-IIアンカー工法は、砂れき層と硬質粘性土で採用することが多い。事前の試験では、硬質粘性土の場合、定着層の泥岩に到達した時点で総貫入エネルギーに顕著な変化が表れた。砂れき層の場合も、硬質粘性土の場合に比べれば変化度合いは小さいものの、明確な分布変化が確認できた。オペレーターの感覚などに頼らず、可視化したデータをリアルタイムで確認しながら定着層への到達度合いを把握できるほか、記録として保管できる。
残り50%掲載日: 2019年4月17日 | presented by 建設通信新聞