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  • 計画・設計能力 製図能力/2次試験の分離提案/建築士法改正で建築学会

     日本建築学会の古谷誠章会長は13日、改正建築士法施行に向けた意見を表明した。全国建築系大学教育連絡協議会の建築士資格制度小委員会(田中友章委員長)の中間報告を受けて、実務経験の対象見直しに伴う研究や著者の範囲、実務年数の算定方法など運用のあり方を提言。今後の中期的課題となる2次試験(設計製図)改善については、「計画・設計能力」と「製図能力」の分離を提案し、それぞれ適切な水準の能力が獲得されているかを適切な形式と内容の試験等で確認することが望ましいとした。今後、国土交通省に提言するとともに、関係団体・機関と協議の場を設けて協力連携していく考えだ。

     全建協が3月に設置した建築士資格制度検討小委員会がまとめた中間報告では、研究を実務要件とする場合の基準について、(1)可能な限り外形的に判断可能な基準の設定(2)第三者証明については法人の代表者(校長または学部長/研究科長)(3)研究の自由や自律性を確保するため、基準や運用方針が研究に無用の干渉しないよう留意(4)大学院におけるインターンシップと研究に関わる基準・運用は分離して検討する--こととした。

     

     研究の対象とする査読付き論文の範囲は、同学会の『論文集(構造系、計画系、環境系=黄表紙)』『技術報告集』『JAABE(ジャーナル・オブ・アジアン・アーキテクチャ・アンド・ビルディング・エンジニアリング)』『JAR(ジャパン・アーキテクチャー・レビュー)』の4誌と、これに準じる成果物で、著者と共著が適当との考えを示した。

     

     研究の範囲は、(1)設計(2)工事監理(3)指導監督(4)施工の技術上の管理(5)建築士事務所の行う業務(6)建築・住宅・都市計画行政--の6項目を対象とし、建築にかかる教育・研究、その他(インターンシップ)は対象外としている。実務経験年数の算定方法は、「原則として当該研究を行った期間とするのが適当」としている。

     

     また、今回の改正で見送られた2次試験(設計製図)の改善については、設計3会(日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築家協会)がCADによる試験の導入検討を要望していた。これに対し、同小委委員会では、各大学で採用されているソフトや教育内容・方法が一律ではない状況や、実務では2次元・3次元CAD、BIMの導入が進む現状を踏まえ、「手描きによる現行の試験方法は教育や実務との実態に乖離(かいり)が見られる」と指摘している。

     

     2次試験で問うべき「建築士が本来身に付けておくべき知識と能力」は、建築基準法等が定める最低の基準に準拠した図面を作成できる能力を確認するためのものであり、そこには「計画・設計能力を問う部分」と、「製図能力を問う部分」の双方が含まれるとした。

     

     このうち、計画・設計能力は手描きやドローイング、ダイアグラムなどでも能力を確認できるとし、製図能力については、試験だけではなく、質保証を伴う実務研修などの導入により確実な製図能力を獲得すべきだとし、質保証されている教育プログラム(JABEE建築系学士・修士課程など)の修了生は、その達成度を適切に製図能力として評価することも検討すべきだとした。

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    掲載日: 2019年5月14日 | presented by 建設通信新聞

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