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既存構造強化 近隣への影響大/首都高都心環状線 日本橋地下化で対策2案/国交省
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【地下別線新設 最短で接続可能】
国土交通省は27日、首都高速道路の日本橋区間の地下化に伴う大型車交通の環状機能確保に関する検討会を開き、前回会合で提起した地下の別線整備と既存の東京高速道路(KK線)の構造強化の2案の検討内容を提示した。地下案は八重洲線から都心環状線に最短で接続できるとし、他の地下埋設物への影響などについて引き続き検討する。構造強化案はKK線下に入居するテナントなど銀座地区への影響が大きな課題であると指摘。次回以降の会合でルート案を決定し、事業スキームの検討に着手する。 「首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会」(座長・池田豊人国交省道路局長)は、首都高・日本橋区間の地下化にあわせて、渋滞対策として実施する江戸橋JCTの環状線のランプ撤去により、埼玉方面から銀座方面などへ向かう大型車の最短のアクセスルートが失われることから、八重洲線と都心環状線をつなぐ方策検討を進めている。
地下の別線整備案は、既設の八重洲線や、外堀通りとKK線(西銀座~京橋)の地下空間を活用することで、八重洲線と都心環状線をつなぐ最短ルートの導入空間を確保できるとした。
実現に向けては、JRや地下鉄、各種インフラ施設の埋設位置やそれらと近接、干渉する場合の影響・移設、都市再生プロジェクトとの連携、首都高晴海線(計画)や築地川区間の大規模更新事業との整合を検討する必要があるとし、検討を継続する。
既存のKK線の構造強化案では、大型車の通行が可能となる25tの耐荷重を確保するため床版・桁補強と幅員の拡幅が必要となる。今回の検討会で挙げられた課題は路線下に入居するテナントへの影響や周辺の歩行者空間の確保など銀座地区の活気とにぎわいに与える課題が指摘された。
具体的には、構造を補強する際に、KK線の下に入居しているテナント約360店舗(客数1日約10万人)に対する影響がある。構造強化の費用に加え、構造強化後の維持補修費用の増加、工事中のテナントからの収入の減少など直接・間接的な費用負担が大きい。
また、道路拡幅についても、JR線と並走する直線部において、JR線と反対側の街路に拡幅部を支える橋脚が新設されることになる。橋脚が商業施設前面の歩道上に新設されることで、歩道の有効幅員が減少。街路の現況機能を確保するためには、新たな用地取得や隣接する建物の除却が必要となる。
街路の歩道上に橋脚を新設せずにKK線の拡幅と機能強化を行うには、KK線と一体構造の建物も含めた全面的な造り替えを想定する。しかし、KK線を造り替える場合は10年など相当の年数が必要となり、コリドー通りに面するテナントなどが一時的に退去しなければならないなど周辺のまちに与える影響が大きい。
残り50%掲載日: 2019年5月28日 | presented by 建設通信新聞