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  • NIPPO、MIRAI―LABO/太陽光発電舗装へ前進/舗装用太陽電池破損しにくく変形許容

     NIPPOとMIRAI―LABO(東京都八王子市、平塚利男社長)は、太陽光発電舗装「e―Smart ROAD」の開発を進めている。その実用化に向けて、人や車が往来する道路舗装用に滑り抵抗など走行安全性を確保しつつ、車両の荷重や冬季のタイヤチェーン装着にも耐える「舗装用太陽電池モジュール」を独自に開発した。あわせて、発電した電気を効率よく運用するための蓄電システムも開発した。

     

     通常の太陽電池モジュールは、強化ガラス板に結晶系などの発電素子を封入したものが一般的で、発電効率は高いが、モノが乗ることなどで生じる「たわみ」変形には追従できないため破損しやすく道路空間への適用には難がある。

     

     両社が開発した「舗装用太陽電池モジュール」は、柔軟性に富むフィルム状の発電素子を採用し、表面保護には透明プラスチック板を採用した。車両の荷重に耐え、たわみ変形も許容することでガラスのようには破損しない。

     

     モジュール表面には凹凸処理を施すことで滑り抵抗性を確保している。車道用のものは冬期のタイヤチェーン装着に耐える強度を確保しており、また歩道用は球状骨材を使用することで子供が転んでも擦過傷になりにくいようにしている。さらに、凹凸処理は斜めからの日差しをとらえることで発電量を向上させている。

     

     蓄電システムは独立電源型となっており、バッテリーマネジメントシステム搭載の高性能小型リチウムイオン・バッテリーを4個内蔵。発電した電気は現地要望に応じて街路灯などさまざまな用途に電気を供給できるほか、簡単に着脱できる可搬式となっているため、災害などの緊急時には避難所や医療設備などの非常用電源に用いることもできる。

     

     同モジュールは、2018年11月にさいたま市のNIPPO総合技術センター構内で試験施工を実施。総重量6t車クラスを含む車両を日々通行する環境で約6カ月経過したが破損は生じておらず、発電量も日差しが強くなるとともに増加している。

     

     実用化の時期について、NIPPO技術本部総合技術部技術研究所の吉中保研究第一課長は「会社としては22年を最終目標としているが、開発の進捗や社外からの興味の度合いにあわせて前倒しになる可能性もあると開発者としては考えており、技術的な課題を一つひとつ潰しているところだ」と説明した。

     

     「e―Smart ROAD」は、今後道路舗装への展開が想定されるさまざまな電気設備の統合を視野に入れた、NIPPOの次世代舗装コンセプトの名称であり、太陽光発電舗装はその第1弾となる。

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    掲載日: 2019年6月3日 | presented by 建設通信新聞

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