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  • バックホウ自律運転システム/大林組、NEC、大裕/掘削、積込み位置を判断

     大林組とNEC、大裕(大阪府寝屋川市、飯田浩二社長)は、事前にプログラミングした動作を実行するのではなく、3次元レーザースキャナーやステレオカメラからの情報を元に土の掘削位置やダンプへの積み込み位置を自ら判断するバックホウの自律運転システムを開発した。12月にも土木現場で複数台の適用を目指す。汎用建設機械の自律化を進める大林組の初弾技術となる。

     

     バックホウによる土の掘削・積み込み作業は、トンネル、河川、港湾、建築物の地下掘削など多くの場面で必要な作業で、1カ所に運ばれた膨大な土砂をダンプに積み込み続ける繰り返し作業になるものの、アームとブーム、バケットを状況によって動かす操作は熟練の技能が必要で、ロボットによる自律化が難しい。

     

     今回開発したシステムは、掘削位置を俯瞰(ふかん)する3Dレーザースキャナー、ダンプを俯瞰するステレオカメラ、バックホウに取り付けるスロープセンサー、ジャイロ、中継装置、汎用遠隔操縦装置「サロゲート」、遠隔地の事務所内に設置する自動制御装置で構成する。

     

     掘削する範囲の盛土の状況を3Dスキャナーで確認し、1度に積み込む土砂量が最も多くなるポイントを自ら判断して掘削し、ダンプトラックに旋回してステレオカメラの映像からダンプに均一に積み込むために最適なポイントを判断して積み込む。動作指示から動作までの時間の遅延を予測して作動したり、刻々と変わるパラメーターに合わせて動きを調整できるNECの「適応予測制御技術」を活用してバックホウを制御する。熟練技能者の作業データを分析して効率的な動作を数値化し、土砂の状況や作業ごとに異なるバックホウ・ダンプの配置に応じて動きを補正することで、熟練技能者の動きを模倣できるようにした。

     

     バックホウを制御するサロゲートは、操作レバーの一部に装着するアタッチメント式で、メーカーや機種を問わず市販のバックホウに後付けできる。自動運転とオペレーターによる遠隔操縦も容易に切り替えられるため、自律運転中に突発事象などが発生した場合は、オペレーターが遠隔操作する。

     

     作業エリアや建機の姿勢・位置を認識するさまざまなセンサーを作業エリアやバックホウが認識しやすい位置に配置し、通信ネットワークで統合制御する「ネットワーク度コントロールシステム」で管理するため、5G(第5世代移動通信システム)を活用すれば、1人で複数台を作業させられるため、大幅な生産性向上につながる。

     

     将来的には、建機にスキャナーやカメラ、センサーを搭載して自律的に移動・作業するシステムの開発を目指す。

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    掲載日: 2019年7月19日 | presented by 建設通信新聞

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