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  • 勢力図塗り変わり/横浜市のIR誘致

    【サンズは大阪見送る/メルコ、みなとみらいに事務所設立へ】

     

     地方創生の起爆剤として官民双方が期待を寄せるIR(統合型リゾート)。横浜市が誘致を正式表明したことで、誘致合戦の勢力図が大きく塗り変わりそうだ。首都圏では東京都や千葉市などが誘致の是非を検討しているものの、正式表明には至っていない。現在、大阪府・市、和歌山県、長崎県が正式表明しているが、横浜市の動きを受け大阪での応募参加を見送るカジノ事業者も出てきた。

     

    ◆迅速な経営判断

     

     横浜市が正式表明した22日、カジノ大手である米国のラスベガス・サンズは、大阪でのIRには参加しない方針を発表した。日本国内での事業提案に向けた経営資源を、東京や横浜など首都圏に集中する方針だ。大阪を見送る理由についてシェルドン・G・アデルソン会長兼CEO(最高経営責任者)は、「業界をリードする対投資リターンを維持できる新たな開発機会を追求することで、有機的な成長を推進する計画だが、東京と横浜への投資はまさにこれを実現するための最善の機会」と説明すると同時に、東京都による正式表明にも期待を寄せる。

     

     一方、香港資本のメルコリゾーツ&エンターテインメントは22日、みなとみらい地区に事務所を開設すると発表した。数カ月以内に横浜オフィスを設置する予定だ。ローレンス・ホー会長兼CEOは、「横浜の立地条件、充実した通信システム、活気、開拓精神は、今回のような大規模で多くの注目を集める開発にとって大変魅力的だ。地域とのコミュニケーションを深めるため、経験豊富で献身性の高い専門チームを新しい横浜オフィスに配置する」とコメントしている。

     

    ◆牧之原市は断念

     

     自治体が誘致に熱を帯び、外資系のカジノ事業者が存在感と迅速な経営判断をアピールする中、カジノに反対する声も根強くある。23日には横浜港運協会(藤木幸夫会長)が緊急の正副会長会議を開き、その後の記者会見で改めて反対を表明した。

     

     水面下で多くの地方自治体がIRの誘致を検討しているが、誘致を断念する自治体も出てきた。静岡県の牧之原市は今月16日、誘致断念を正式決定した。カジノに反対する市民の意見もあったが、提案窓口となる静岡県との協議の結果、提案に向けた作業スケジュールに無理があると判明したためだ。市は大寄地区へのIR誘致を想定していたが、今後はさまざまな選択肢も視野に入れながら企業誘致や開発を検討する方針だ。

     

    ◆1期3ヵ所、2期は7年後

     

     IR整備法では、都道府県・政令市を対象として区域整備計画を募集し、第1期として3カ所を上限に認定する枠組みを定めている。このため結果的に認定区域が1、2カ所になる可能性もある。

     

     関係者の間では「地方創生の流れから、政府は3カ所以上を認めるのではないか」と期待する声もある。しかし、現時点ではあくまでも希望的観測に過ぎない。同法では第2期の認定(上限数の見直し)について、1期の認定から7年経過後と規定しているためだ。ただ、2期認定についても「実施そのものが現時点で不確定」(牧之原市)との見方もある。

     

     政府は2020年度から21年度にかけて、第1期として最大3カ所の募集・選定を始める見通しだ。

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    掲載日: 2019年8月26日 | presented by 建設通信新聞

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