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清水建設の大規模物流施設/9月1日からテナント入居/AI活用 先進技術実装
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>清水建設が約400億円を投じて、埼玉県新座市で開発を進めている先進的大規模物流施設「S・LOGI新座」の主要施設であるマルチテナント型のS・LOGI新座Westが30日に竣工し、9月1日からテナントの入居が始まる。優れた施設仕様に加え、同社開発のAI(人工知能)を活用した先進的な技術の実装が大きな特徴だ。
その1つとして、BCP(事業継続計画)対応の「早期火災検知システム」を備えた。天井が高く大空間となる物流施設では、火災の早期発見が延焼防止に欠かせない。同システムは段ボールやビニールなどの燃焼時に発生する化学物質を検知するガスセンサー、炎センサー、煙を検知するレーザーセンサーから得られる各種情報をAIによって総合的に分析した上で、誤検知を排除し、高い精度で火災を早期に検知する。
火災検知までの時間は、火種の発生からおおむね10分で、水バケツで消火できる程度で収まるという。同システムを通常の火災報知器と併用することで火災安全性が格段に高まる。
さらに、AIが駐車場の監視カメラの画像を解析し、駐車場の空き状況や日々の混雑予想時間帯をポータルサイトから情報提供する「車両管理・誘導システム」も備えた。マルチテナント型の物流施設では、テナント別に車両を手配することから時間帯によっては車両が集中し、施設内への入場や駐車場の空き待ちを余儀なくされることがある。同システムが提供する情報を基に、各テナントが車両手配を行うことで混雑緩和が期待される。
また、屋根上のスペースを利用した太陽光発電事業も実施する。約2000kWを発電し、固定価格買取制度(FIT)を活用して東京電力パワーグリッドに売電する。震災などの停電時には施設のBCP電源として、太陽光発電と施設の非常用発電機の連携運転を図り、最大100kWを施設に送電する。
施設面では、幅広いテナントニーズに対応した倉庫空間の有効高さや床耐荷重、BCP対応設備、アメニティー空間などを備えた。
規模はS・RC造4階建て延べ13万2036㎡。引き続き、2020年1月に専用倉庫型の物流施設となるS・LOGI新座East1(同延べ3万8835㎡)が竣工するとともに、S・LOGI新座East2(同延べ2万㎡)が年度内にも着工する予定だ。East2は工期に15カ月を見込む。
建設地は新座都市計画事業大和田2・3丁目地区土地区画整理事業区域内(3棟合計約9万㎡)。都心からわずか25㎞に位置するなど、首都圏向け物流施設として好立地環境にある。
残り50%掲載日: 2019年8月26日 | presented by 建設通信新聞