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大林組、東宏、国際紙パルプ商事/山岳トンネル自動化の初弾/防水シート張り50%効率化
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>大林組と東宏(札幌市、小林雅彦社長)、国際紙パルプ商事(東京都中央区、田辺円社長)は、山岳トンネルの防水シート張り付けの作業効率が40-50%向上する「壁面形状追随型長尺防水シート自動展張システム」を開発した。山岳トンネル自動化システムの初弾となる。
山岳トンネル工事では、トンネル完成後の周辺地下水の円滑な排水や覆工面への漏水防止、覆工と地山の縁切りによるひび割れ抑制などのために覆工打設前に吹き付けコンクリート面に防水シートを張る。
シート張り付け作業では、作業台車最上段から壁面に沿って下に垂らしたロール状の防水シートを人力で壁面に広げながら押し付けて釘打ち機で固定し、トンネル全周に渡ってシート同士を溶着する。溶着には十分な止水性と均一な接合強度が求められる。トンネル奥行きが10m程度の施工では5回の溶着が必要で、労力がかかる上、シートを壁面の凹凸にあわせてぴったり固定すると覆工コンクリート打設時に突っ張り、天端部にすき間ができたり、シートが破損する恐れがあるため、適度な余裕を持って固定する熟練技能が必要となる。
新システムは、幅10.5mの長尺防水シートを採用することで、溶着作業が従来の5分の1になり、作業時間を短縮できるほか、防水品質も確保できる。蛇腹折りにしてロール状に巻いた長尺防水シートを作業台車の下部に設置し、ウインチでトンネル周方向に引き上げ、曲面形状の架台に仮置きする。釘打ち機で固定する作業にあわせて作業台車を前進させ、折りたたんだ防水シートを広げ、送風機で膨らませたバルーンで壁面に押し付けることで自動展張する。長尺防水シートの採用効果とあわせ、作業効果が従来作業より40-50%向上する。
作業台車上に仮置きした展張前の防水シートに特殊な引き込み装置で緩みを持たせることで張り付け時に適切な余裕を設けられ、施工品質を確保できるほか、余裕量を計画的に管理できるため防水シート材料のロスも削減する。
同社では、山岳トンネルの施工に適用できる山岳トンネル自動化システムの開発を進めている。工事を掘削作業と覆工作業に分類し、掘削は「安全性向上と省人化」、覆工は「省人化と品質向上」をテーマとし、両作業を複数の分野に分けて要素技術の開発を進めている。今回の技術は覆工技術分野の「防水シート張り付け技術」として開発した。
残り50%掲載日: 2019年9月13日 | presented by 建設通信新聞