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  • スコープ/LisB(東京都千代田区)/ビジネスチャット「ダイレクト」開発

    ◇現場情報を簡単に共有

     

     LisB(東京都千代田区、横井太輔代表取締役兼最高経営責任者〈CEO〉)が開発したビジネスチャット「direct(ダイレクト)」の活用が建設現場で広がっている。協力会社など社外の相手とのつながり方を自由に設計できるなど、一般的なコミュニケーションアプリに比べセキュリティー対策を強化。モバイル端末やスマートフォンで簡単に操作でき、現場を巡回しながら安全対策の改善指示なども可能となる。竹中工務店や大林組などが既に全現場に導入。現場のニーズを把握しながら「引き続き機能を進化させていきたい」(横井氏)という。

     

     同社は2013年に工場や現場現場などで、立って働くフィールドワーカーをスマホやタブレットを活用して支援するビジネスチャット「ダイレクト」を開発。基本機能として▽モバイル端末やスマホによる簡単操作▽すべてのメッセージの既読・未読が分かる機能▽各種のファイル共有▽アクションスタンプによるタスク管理▽現在地情報の共有▽検索機能-などを装備。管理ツールとして一斉連絡や連絡先の階層表示、組織設定、組織へのメンバー招待・削除、ログの一括エクスポートといった機能も持たせた。

     

     ビジネス用チャットのため、特に外部への情報流出などのセキュリティー対策を強化。情報を共有するグループを「組織」と呼び、ユーザーは複数の組織に参加できる。同じ組織に参加している同士で会話のやり取りができる。建設現場を複数管理する統括所長らは現場ごとの参加者だけでトークが可能で、情報漏えいリスクを軽減できる。携帯端末を紛失した場合、管理者が即時に専用アプリの起動をロックすることも可能だ。

     

     同社は開発後1年間、実際の現場で試行してもらいシステムの課題や利用者のニーズを抽出。システムをアップデートした上で、14年から本格的な販売に乗りだした。同時に現場の課題を解決するためのオプションサービスも順次追加した。

     

     オプションサービスの一つが「ゲストモード」だ。建設現場では複数の協力会社が工種ごとに作業するため、仕事の内容や現場に出入りする時期が異なる。ゼネコンの現場担当者は組織に参加する全メンバーが見えて話し掛けることが可能だが、「ゲスト」メンバーとなる協力会社には他のメンバーの存在は表示されない。この機能によってつながる必要のある相手だけと安心してやり取りができる。

     

     「directサイネージ」も建設現場からの要請で開発した。現場内に所有者不明の資材や荷物があった場合、これまでは朝礼などで所有者を特定し撤去を依頼していた。休憩所や仮設トイレなどの前に設置したディスプレーに所有者不明荷物の写真と撤去指示を表示することで、すぐに情報を伝達することができる。時間や場所を選ばず情報更新が可能で、天候の変化による安全対策の指示などもすぐに表示できる。

     

     オプションには共有した写真・動画管理を効率化する「フォトビュー」や、残業実態を見える化して長時間労働の是正を促進する「direct Smart Working Solution」などがある。これまでパソコンで行っていた煩雑な業務処理をスマホから簡単にできるダイレクト専用のチャットボット開発環境「daab(ダーブ)」なども無償で公開。建設現場のニーズに合致したサービスを提供している。

     

     ダイレクトの利用社数は販売開始から5年弱で1500社を超え、アカウント数は14万を超えた。特に大手建設会社の利用が急増している。同社は6月に図面管理ツール「SpiderPlus」を開発したレゴリス(東京都豊島区、伊藤謙自社長)と業務提携し、ダイレクトとの連携を進めている。建設現場の情報共有、管理などで必要な管理ツールなどを充実させるため今後も同業者と連携し、サービス内容を充実する。

     

    □横井代表取締役・CEO/「現場主義」が開発の原点□

     

     当社は実際に現場へ出向き、現場の働き方改革や生産性向上で、何が課題となっているのかを把握し、その課題解決に向けたアプリケーション開発を進めている。「現場主義」が開発の原点にあり、利用者の方々にはその点が評価されているのではないか。

     

     建設現場を訪ねると、第一線で働く方々の高齢化が進み、いずれロボットや人工知能(AI)の活用が進むことが予想される。ただ、ロボットやAIは学習するための教師データがなければ的確な動きはできない。教師データを作成するには現場で働く方々から現場の管理・運営ノウハウや技能・技術、安全知識などを聞き、データ化する必要がある。ダイレクトはその運用を通じ自動的に教師データを蓄積できる。将来的にはそうしたデータを分析し、ロボット開発などに生かしていきたい。

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    掲載日: 2019年9月17日 | presented by 日刊建設工業新聞

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