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連載・BIM未来図/元年から10年/オートデスク(3)
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【ものづくりは自動化へ進む/創造力で新たな手法導く】
BIMを活用した建設生産のあり方についても、海外は日本の一歩先を進んでいる。オートデスクのアンドリュー・アナグノスト社長兼CEOは「建設業のものづくりそのものが、製造業のように自動化へと進みつつある」と強調し「今後、日本の企業を新たな時代へと導くのが、われわれの役割でもある」と訴える。
2018年11月に米国・ラスベガスで開かれたオートデスクのユーザーイベント『AU(オートデスク・ユニバーシティ)』では、世界各国から最新のBIM事例が紹介されただけでなく、建設生産における新たな潮流についても垣間見ることができた。そこで同社は「建設の工業化」をテーマに開発した建設業向けの大規模な積層造形用「工具箱」を公開し、注目を集めた。製造業の発想を建設分野に取り入れることで、将来の新たな建設生産の道が開け、より多くのメリットを享受できるとのメッセージも発信した。
同社の試算によると、今後30年で世界の人口が100億人に到達した場合、天然資源は減り熟練労働者不足が社会問題化する。こうした環境下で人口増を加味すると、世界では50年までに毎日平均で1万3000棟もの建築物を提供する必要があり、現在の建築手法では不可能であると分析。建設業は製造業の考え方に学び、生産の最適化をもっと突き詰めるべきとし、オランダのValk Weidingグループが開発した積層造形手法の1つである指向性エネルギー堆積(DED)用のロボット技術を組み込み、高強度で使いやすい大型金属部品を生産できるコンテナを披露した。
オートデスクは将来の建設手法を考える際、重要な視点は単なる最適化ではなく、創造力であるとし、仮に建設現場に置かれた工具箱から、必要な時に必要な場所で鉄などの金属製大型パーツを製造する技術があれば「どう活用するかを創造してほしい」と呼び掛けた。工具箱内ではジェネレーティブデザインと積層造形技術を駆使することで、重量を落としながら施工しやすい「鋼鉄の蜘蛛」と呼ばれる専用コネクターをつくり出した。
アナグノスト氏は「BIMの流れは施工のロボット化や自動化につながる糸口になるが、すべての建設生産がそうなるわけではない。重要なのはすべてのプロセスは細分化され、その中でより最適な部分、効率的な部分が自動化に向かう。それによって建設生産性の向上へ最適化が進んでいく。こうした生産性の成長はまさに製造業が歩んできた道筋である」と説明する。
残り50%掲載日: 2019年9月30日 | presented by 建設通信新聞