当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 現場から・飛島建設JV 名護東道路4号トンネル工事

    【AIで切羽地山判定を実証/熱中症対策に脈拍センサー】

     

     飛島建設・太名嘉組JVは、沖縄県名護市で名護東道路4号トンネル工事を施工中だ。飛島建設が開発した切羽AI(人工知能)評価を活用したトンネル切羽の地山判定手法の実証を進めているほか、作業員の熱中症対策として、脈拍センサーにより常時脈拍数をモニタリングすることで、脈拍数に異常値を計測した場合は休憩させる措置を講じている。いずれも飛島建設としては初めての試みだ。地域住民の理解と協力を得ながら、工事を進めている。

     

     名護東道路は、那覇空港、那覇港などの中南部の各拠点間のアクセス向上、名護市内の交通混雑緩和・交通安全向上、北部地域の地域活性化の支援を目的としている。区間は、名護市伊差川~数久田間の6.8㎞、4車線で計画され、2011年には伊差川IC~世冨慶ICが暫定2車線で開通している。このうち、名護東道路4号トンネル工事は数久田地内で延長1021mのトンネルを施工している。発注者は内閣府沖縄総合事務局北部国道事務所。工期は20年7月末まで。

     

     トンネルは、NATMの機械掘削方式。9月19日時点で370mまで掘削を終えており、進捗率は約35%。1カ月当たり80mの掘削進行だ。地質状況などを踏まえて、ロードヘッダーは出力200kW級から、国内最大級の350kWに変更したが、岩質が硬く予定掘削進行を維持するため、爆薬による音や振動の影響を低減させた発破工法を併用している。両工法の併用は珍しく「数久田地区集落の皆さんの同意と協力があってこそ、なせるものだと感謝している」(飛島建設の能田浩文所長)としている。

     

     切羽AI評価は、本来は職員が手作業で行っていた切羽評価をAIが自動判定することにより、評価のばらつきを抑え支保パターンを一律に決めていく。1次評価として、デジタル写真撮影からたたみ込みニューラルネットワークによる画像識別を行い支保パターンを決め、2次判定としてDRISS(穿孔探査法)、多点同時変位計測システムを併用することで評価の精度をさらに上げている。切羽観察記録の時間が短縮され、受発注者双方に効果をもたらしているという。

     

     このほか、覆工コンクリートは、トンネルが名護湾に面しているために潮風などからの悪影響を及ぼさないように、耐久性や品質に配慮する必要がある。同トンネルではひび割れを抑制してはく落を防ぐために、非鋼繊維をコンクリートに添加し長期劣化による剥離や剥落防止を図っている。

     

     能田所長は「地区の住民の皆さんと同等にトンネル工事を行っていくことに視点を置いている。情報をお互いに共有し、環境にも配慮しながら無事故・無災害で地区の住民の皆さんと一緒に工事を進めていきたい」と話す。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2019年10月1日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事