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大成建設/業界初、hp-FEMを実用化/建築物の音響・振動予測/
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【高精度、高効率な手法確立】
大成建設は、RC造の建築物における騒音や振動をより効率的かつ正確に予測する新たな計算手法を確立した。地球物理学などの分野で利用されている精度の高い計算手法『hp-有限要素法(hp-FEM)』を建築物の音響・振動予測に応用。従来の計算手法よりも高精度・高効率な予測を可能とする、この計算手法の建築物への適用を建設業界で初めて実用化した。
集合住宅の設計などでポイントの1つとなる騒音・振動への対応は、遮音性能を考慮した最適な躯体構造を選定するための“精度の高い予測”が重要なかぎを握る。
建築物における音響や振動の予測は「線状要素(梁・柱)」と「面状要素(床)」による簡易的な建物モデルで予測・解析する手法(有限要素法)が一般的となっているが、簡易的なモデルを使用するため、その精度に限界があった。
逆に「立体要素」を用いることで、より躯体の形状を正確にモデル化する場合、予測の精度は高まるが、入力する情報量の増大に伴う効率性(計算に要する時間的コスト)が課題となっていた。
そうした課題の解消へ、同社は地球物理学の分野で利用されている精度の高い計算手法『hp-有限要素法(hp-FEM)』に着目。建築物の複雑な形状に対応するための「非適合要素」の活用と、目標とする精度に応じて要素の大きさや要素が表す変形の滑らかさを自動的に生成する独自のアルゴリズム(特許出願中)によって、建築物への実用化に成功した。
地球規模の地震動の予測など本来は単純かつ大規模な事象の予測・解析に用いられるこの計算手法を、複雑な建築物の音響・振動予測に適用できるように改良を施すことで、従来よりも高精度・高効率な予測を実現した。
実際に新たな計算手法を用いた場合、従来手法の約半分のメモリー容量と計算時間で高精度な音響・振動予測が可能。集合住宅の躯体の一部(延べ床面積約400㎡)をモデル化して複数のパターンで床衝撃音を予測した場合、従来は数日を要していた計算時間が約1日に短縮されるという。
建築物における騒音や振動をより効率的かつ正確に予測・解析する計算手法の確立によって、建物の遮音性能をより適切に評価できる環境を構築。音響・振動の予測精度が向上することで、例えば、床の厚みなど、要求性能を満たす最適な躯体構造の選定に役立つ。
残り50%掲載日: 2019年10月2日 | presented by 建設通信新聞