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改善傾向も大半が現状維持/品確法運用指針アンケート/災害・除雪対応に危機感/全建
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>全国建設業協会(近藤晴貞会長)は、改正前の公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく運用指針の運用状況などに関するアンケートの2019年度結果をまとめた。会員企業の業況は運用指針作成後の15年度と比べ、受注、利益とも改善しているものの、約半数が横ばいで推移。ただ、人員・機材の維持に必要な事業量を下回っているとの認識は強まっており、災害・除雪対応への危機意識を高めている。地域建設業が地域の守り手として引き続き活動するには、改正後の品確法でも基本理念に掲げられている「受注者の適正利潤の確保」のさらなる徹底が求められる。
アンケートは全建傘下協会のうち、45都道府県建設業協会の会員企業982社から回答を得た(全会員数に占める回答率は約5%)。回答者は国、都道府県、市区町村で工事受注が偏らないように、バランスを考慮し抽出している。資本金別にみると、5000万円以上1億円未満が6割超で最も多い。
19年度の会員企業の受注状況は15年度調査と比べ、「良い」が4ポイント増の5%、「良くなってきた」が16ポイント増の25%で、「悪くなってきた」が29ポイント減の19%、「悪い」が9ポイント減の3%。改善傾向と悪化傾向に相関性がみられる一方、「変わらない」は19ポイント上昇、49%と大半を占める。
受注悪化の要因としては発注減少が最多。競争激化、応札減少(技術者の問題)も急増している。
利益状況は「良い」が3%で横ばい、「良くなってきた」が18ポイント増の31%。「悪くなってきた」は21ポイント減の21%、「悪い」は6ポイント減の2%で、「変わらない」が6ポイント増の42%と受注状況と同じく比率は最も高い。
利益悪化の背景には人件費や下請代金、資機材の上昇があるものの、近年は人件費と下請代金による利益圧迫が顕著となっている。
受注、利益状況は全国ブロック別も全体と同様の傾向となっている。
事業量(回答者の所在地域が対象)については、全体の40%が人員・機材を維持する上で「必要な事業量を下回っている」と答えている。「必要最低限」も43%、「十分な事業量がある」は15%にとどまっている。
緊急対応体制(同)では、災害・除雪とも3割弱が「体制(能力)が不足している」と回答。「必要最低限」も約6割に達し、各社ともぎりぎりの状況で地域の安心・安全の確保に取り組んでいることがうかがえる。
主な意見では、「地方に事業量を配分してほしい」「技術者、技能者がいないために受注量を増やすことができない」「長期的な視点で限界工事量を確保する考え方を官民一体で議論しなければならない」「10年後には災害・除雪に対応できない企業が半分を占める」「除雪業務についてはオペレーターの高齢化、担い手不足が深刻で、近い将来業務縮小が現実となる可能性がある」「緊急時の出動となると若い人の理解が得られない」などが挙がっている。
◆市区町村の1割歩切り継続
また、協会単位でもアンケートを実施している(45都道府県建協が回答)。発注見通しの公表、最新の労務単価・資材の実勢価格の反映、最新の積算基準の適用、適切な工期設定、平準化などは国と都道府県のほとんどが取り組んでいるのに対し、市区町村では遅れがみられる。歩切りについては市区町村の1割で未改善となっている。
残り50%掲載日: 2019年10月3日 | presented by 建設通信新聞