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鹿島、シールド工事向けKaCIM’S開発
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【CIMで掘進管理を強化/将来の“全自動施工”に弾み】
鹿島は、CIMを活用してシールド工事の進捗管理を見える化するシステム「KaCIM’S(カシムズ)」を開発した。3次元モデルを用いた高精度なシミュレーションだけでなく、リアルタイムに計画と実績との差異データを可視化することで、日々の掘進管理の強化につなげることが狙い。掘進管理の高度化によって将来的なシールド工事の全自動化に弾みがつく。
新たに開発した「KaCIM’S」は、掘進管理に必要となる掘進・組立指示書の作成やそれを用いた掘進シミュレーションを自動化する仕組み。蛇行量やシールドマシンのクリアランス、曲線施工における余掘り量を可視化することで、掘進軌跡を3次元モデルによって高精度に予測・図化することができる。
必要な情報を入力するだけで、瞬時にシミュレーションが可能。オペレーターに出す「シールド掘進作業指示書」や坑内の作業員に対する「セグメント組立作業指示書」の指示値の妥当性を視覚的に判断できることから、掘削・組立計画の検討に要する時間を大幅に短縮することができるという。
実際にこれまで人が行っていた施工計画の検討から掘進・組立指示書の作成までを一元的に可視化・自動化することで、作業時間を半減。3次元モデルを用いた高精度かつリアルタイムな掘進シミュレーションによって、瞬時に施工管理者とオペレーターの認識の一致が図れるメリットもある。
計画と実績との差異や、その原因をデジタルデータとして記録・蓄積できることから、リアルタイムに掘進状況を確認。常にPDCAサイクルを回すことでより最適な掘進計画の検討に役立つ。これまで技術者の「暗黙知」によるところが大きかった掘進管理を「形式知」に置き換えることができるというわけだ。
既に同社が施工を進める茨城県のガス導管シールド工事に適用して、品質管理や生産性に対する有効性を確認。今後、シールド工事における必須ツールとして基本的にすべての現場に適用していく。AI(人工知能)による分析など蓄積したデータの効果的な活用を図ることで将来的な全自動化を目指す。
要素技術としての掘進管理の高度化を実現させたことで、別枠で開発を進めるシールドマシンの制御システムやトラブルの予兆察知・改善システムと合わせた掘進作業の自動化に大きく前進。2023年度を目標に取り組みを進めるシールド工事の本格的な全自動施工に弾みをつけた形となる。
残り50%掲載日: 2019年10月31日 | presented by 建設通信新聞