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NTTコムウェア/画像認識のAI領域/工事検査にまで拡大/初弾、清水とガス圧接継手
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>NTTコムウェアは、インフラ点検業務などに導入してきた画像認識AI(人工知能)「Deeptector」の活用領域を工事検査にまで拡大する。初弾として、清水建設と共同でガス圧接継手の検査業務効率化に導入する。2020年1月から同3月まで現場トライアルを進め、同年前半中には研修用ツールとして実運用し、そのほかの工事検査項目での適用拡大に向けた検証も進める。
「Deeptector」は、AIによる画像認識技術で、鉄塔やトンネル、舗装路面、建物などインフラの劣化診断で活用してきた。建設現場では、膨大な個所・種類の検査を実施しているが、熟練者の目視に頼る場面が多い上、検査能力の個人差が大きいため教育・訓練が必要で、熟練検査員の確保・増員が難しい。こうした課題を抱える工事検査にも「Deeptector」を活用できると判断した。
工事検査での活用の初弾となるガス圧接継手は、基礎・工事における継手の約7割を占め、年間の圧接個所数は約3000万カ所に上る。通常は、複数の検査項目を測定器で検査するため、1カ所当たり5分ほどの時間がかかり、検査員によって検査精度にもバラツキが出る。近年は、撮影画像のAI判定技術が開発されているものの、背景や照明の異なる工事現場特有の環境で精度を維持することが難しかった。
工事検査で導入する「Deeptector」は、特許出願中の独自判定方式として新たに『セグメンテーション技術』を活用し、背景や照明が異なる環境でも高い精度を維持できるように改良した。スマートフォンの画面には、ガス圧接特有のコブのある継手部分のガイド図を表示し、そのガイド図に合うように継手の画像を映し出して撮影する。これにより、検査員ごとの撮影精度のバラツキを防止する。撮影画像を送信すれば、「Deeptector」が継手部の「膨らみ直径」「膨らみ長さ」「折れ曲がり」「偏心量」「片膨らみ」の5項目を診断し、基準からずれている場合は不合格の判定結果と、基準からずれている量などを表示する。サーバーにデータを送信するため、「検査結果のエビデンスを蓄積できることも大きなポイント」としている。
NTTコムウェアでは、「(Deeptectorの活用領域を)インフラ点検にフォーカスしていたが、今後は工事検査業務のプロセス全体を見据えてほかの工事検査業務にも適用を拡大し、あわせてデータマネジメントの支援といった事業まで見据えて取り組みたい」(澤秀雄エンタープライズビジネス事業本部産業・公共ビジネス部長)としている。
残り50%掲載日: 2019年11月22日 | presented by 建設通信新聞