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新春インタビュー/国土交通大臣 石井 啓一氏
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【生産性革命「深化の年」/社会資本は未来切り開く投資】
石井啓一国土交通相は、建設専門紙の新春インタビューに応じ、「2018年は生産性革命“深化の年”として、社会全体の生産性向上に向けた施策に全力で取り組む」と語った。i-Constructionについては「維持管理や建築分野での展開、大規模構造物における3次元設計の拡大、中小企業の取り組み加速化の支援充実に取り組んでいきたい」と表明。「社会資本は未来を切り開く投資」と言い切り、建設産業の持続的な発展を後押しする。 「日本は既に人口減少時代を迎えており、生産年齢人口も減少しているが建設業がこれからも役割を果たしていくためには、人の減少を上回る生産性の向上と将来の担い手を確保する働き方改革に取り組まなければならない」と強調する。
働き方改革については、受発注者双方が守るべき『適正な工期設定等のためのガイドライン』の策定や時間外労働の上限規制などの長時間労働を是正するための取り組みを進めている。「ガイドラインが民間工事に浸透して、より実効性のあるものとなるように、業態別の連絡会議を通じて働き掛けていく」考えだ。
建設産業政策会議からの提言『建設産業政策2017+10』については、「10年後においても建設産業が生産性を高めながら現場力を維持できるよう提言に盛り込まれた施策の具体化を進めていく」と述べた。
建設人材の育成強化には、技能者の就業履歴を業界統一のルールで一元的に登録・蓄積する建設キャリアアップシステムを今秋から導入。「最終的には現場で働く約330万人すべての技能者への適用を拡大していく」。建設業の従事者に 必要とされる技能の習得を効果的・継続的に行う建設リカレント教育(学び直し)も進める。「インフラの維持管理や 災害対応など地域の守り手としての役割を果たし続けることができるよう、これまで進めてきた社会保険の加入徹底に加えて、業界と一体となって行っていきたい」と訴える。
重点的・戦略的に
ストック効果発揮
昨年末に閣議決定した18年度予算案では、前年度比で20億円の増加となる5兆1828億円の公共事業関係費を確保した。「安定的・持続的な公共投資の確保が何よりも重要」とし、「社会資本整備に当たっては、ストック効果を最大限発揮していく」ことの必要性を指摘する。
頻発する大規模災害の教訓を踏まえた今後の防災・減災対策は、「国、自治体、企業、住民、住民団体のすべての主体が災害知識と心構えを社会全体で共有し、さまざまな災害に備える防災意識社会への転換を図り、整備効果の高いハード対策と住民目線のソフト対策を総動員する必要がある」
特に水災害では、九州北部豪雨などの事例を踏まえて取りまとめた中小河川緊急治水対策プロジェクトにおいて、今後3年間で土砂・流木対策と河道掘削・堤防整備、洪水に特化した低コストな水位計の設置を進める。
インフラの大部分を抱える地方自治体への老朽化対策の財政・人的支援やインフラメンテナンス国民会議を通じた新技術開発、メンテナンス産業の育成を図る。無電柱化施策では、低コスト手法の確立を進めるとともに、直轄国道約2万㎞での電柱新設を禁止。「自治体にも取り組みは広がっており、12都府県3市の約1万4000㎞で禁止措置が 講じられている」と話す。
相続などで所有者を把握できなくなった所有者不明土地には、「公共用地の取得など 政府全体としても大きな課題に直面している」とし、収用手続きの合理化と一定期間の利用を前提とする新たな仕組みの構築、所有者探索を合理化する法案を次期通常国会へ提出する。「近年、増加している空き地が所有者不明土地の 増加につながることから、18年度予算では有効活用や適正管理を支援するモデル調査費を計上した」とし、好事例の水平展開を目指す。
残り50%掲載日: 2018年1月5日 | presented by 建設通信新聞