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  • Topics・老朽化道路の再生進む/東名高速道路大井松田~御殿場IC間床版取替/都夫良野トンネル管理施設改修他

     東名高速道路の全線、中央自動車道の一部は、開通後50年以上が経過している。NEXCO中日本管内では、開通後30年以上経過した道路が約6割を占め、床版下面の疲労劣化、舗装の亀裂、緊張力を消失しているグラウンドアンカーなどの老朽化が目立つ。そのため同社は、ライフコストの最小化、予防保全と性能向上のため効果的な対策を講じ、高速道路のネットワーク機能を長期にわたって安全に保つためリニューアルプロジェクトを進めている。

     

    【生産性向上と作業効率化図る】

     

     プロジェクトの一環である「東名高速道路(特定更新等)大井松田IC~御殿場IC(左ルート)間床版取替工事(平成29年度)」と「都夫良野トンネル管理施設改修他工事」の現場を取材した。床版取り替え工事は、三井住友建設・日本ファブテック・極東興和JV。都夫良野トンネルは、大豊建設が担当している。床版取り替え工事の酒匂川橋では、工場製のPCa(プレキャスト)壁高欄を新開発するなど生産性の向上や、現場作業を減らす工夫をしている。都夫良野トンネルでは、本線上に大型解体専用機械を設置し、左ルート閉鎖中の短期間で効率的に解体している。

     

    ◆トラス橋で床版取替え

     

     酒匂川橋は、トラス橋の橋長725mを3回に分け、226mを初弾として順次取り替える。山崎富士夫御殿場保全・サービスセンター所長は「トラス橋での床版取り替えは初めて。また、曲線橋になっているため床版のセットが非常に難しい区間になっている」と工事の特徴を説明する。160t吊りのクレーン1台を使用した工事は、1日に約3枚をPCa床版に取り替えている。清水章一御殿場保全・サービスセンター工事担当課長は「220tクラスのクレーンで1日7枚程度取り替える予定をしていたが、橋の荷重が持たない可能性があった。アウトリガーを乗せる位置も橋桁に乗せている」と工夫を話す。

     

     左ルート閉鎖期間を短縮するため、現場打ちを採用していた壁高欄をPCa製にし、光ファイバーなどの6条ある通信管路に対応したものを新開発した。撤去は、壁高欄や舗装をつけたまま輪切りにし2分割してコンクリートを取り壊している。また、雨天時の対策として、コンクリート打設作業などを可能にするため、仮設屋根を導入して工程遅延リスクを排除している。

     

    ◆さらなる安全のために

     

     都夫良野トンネルは、本線上部に設置している東換気塔を撤去している。規模は、RC造6階建ての高さ28m、幅26m、奥行き24mで、工期は2020年5月21日まで。

     

     換気塔には換気ダクトのほか、受配電設備や情報板監視盤設備、ラジオ再表装設備などの設備が入っていたが、8月に東電気室として移設が完了した。工事は中食い工法を採用し、6割程度(10月末)の撤去が進んでいる。

     

     鈴木順也御殿場保全・サービスセンター施設担当課長は「トンネル内の換気方式がジェットファンに変わり、本線上に大きい建屋がある必要がなくなった。コンクリートに大きな損傷はなかったが、使用から50年以上経っているため、さらなる安全性向上を目的にしている」と撤去の理由について話す。

     

     交通安全対策として、渋滞が発生する場所や速度を分析し、簡易ベクションを4区間に設置した。大型車の混入率が高い東名高速道路は、対面通行規制に中分突破事故のリスクが高いため、強固な防護柵にしなければならない。ロードジッパーシステムを採用することで柵の設置や撤去を短縮した。

     

     そのほかリニューアル関連工事として、左ルート閉鎖に合わせた鮎沢PA下り線は、駐車場やランプ部の舗装、休憩施設や歩道のバリアフリー化などのリフレッシュ工事や、都夫良野トンネルでは老朽化したトンネルの覆工コンクリートを補強している。リニューアルプロジェクトは、重大な変状に進展する恐れがある個所を対象に15-29年までの15年間で実施する予定だ。

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    掲載日: 2019年11月26日 | presented by 建設通信新聞

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