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  • 連載・2020年業界を読む/コンサル/将来見据えて積極投資/2019年度末へ問われる「働き方」

     気候変動に伴う自然災害リスクの増大や一段と進展する社会資本の老朽化への対応から、売り上げの約8割を占める国内公共事業が堅調に推移。過去最高の業績を上げる企業も少なくなく、「ことしに入って受注環境はさらに良くなるのではないか」とみる経営トップは多い。一方で課題となるのが「働き方改革との両立」だ。

     

     かねて建設コンサルタント各社は昨年4月からの改正労働基準法施行をにらみ、罰則のある残業時間の上限規制に対応した取り組みを進めてきた。その成果は総労働時間や平均残業時間の低減という目に見える結果として表れているが、増加する手持ち業務量に頻発する災害への対応が重なり、今後納期が集中することで過重労働が生じやすい年度末の繁忙期を迎える中で、いかに社員の負荷を平準化していくか、経営のかじ取りが問われる。

     

     足元が好調な時だからこそ将来を見据えた技術開発や事業領域の拡大、それらを支える人材の確保・育成に積極投資しようというのも各社トップに共通する姿勢だ。

     

     日本工営の有元龍一社長は、成長分野の柱に位置付ける都市空間事業での「土木と建築を融合した新たなビジネスモデル」を始め、「国内、海外の別なく技術と人財を、また建設コンサルタントの知見と電力エンジニアリング、都市空間、エネルギーの各セグメントを融合させ、新たな事業機会や顧客、商品を生み出していきたい」とし、「生産ツールとしてのプロジェクトマネジメント技術、BIM/CIMを含めトータルでインテグレートしていく技術は早く成果を求めて力を入れていく」と語る。

     

     「インフラに関するデータの有効活用はこれから非常に大事になる。特に5G(第5世代移動通信システム)の中で防災にどう生かしていくか、業界の枠を超えて連携を深度化していきたい」とパシフィックコンサルタンツの重永智之社長が語るように、AI(人工知能)やリモートセンシング、3次元化技術などデジタルトランスフォーメーションの目覚ましい進展は、インフラの維持・ 点検やリスクマネジメントといった社会課題を解決するためのソリューションの提供とともに、 新たなサービスやビジネスの創出に向けて従来の枠組みにとらわれない業種・産業を超えた連携を促す。 国際的な協業やM&A(企業の合併・買収)などのグローバル展開が加速する一方で、 自治体や地元企業と提携したインフラ維持管理や地域活性化などの取り組みも多様化していく。

     

     その視線の先にあるのは「発注者の領域までを一括で担う事業マネジメント」(新井伸博大日本コンサルタント社長)という言葉に代表される、事業の最上流から下流までをトータルでマネジメントしていく建設コンサルタントの姿だ。その実現に向けた道筋をどう描いていくのか、それぞれが戦略と実行力を示す1年となる。(布田勉)

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    掲載日: 2020年1月14日 | presented by 建設通信新聞

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