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  • project・約8割 236kmで発注完了/リニア中央新幹線

     品川~名古屋間の総距離は約286㎞。既に約8割(山梨リニア実験線含む)で発注が終わっているほか、2019年12月には大深度地下トンネルの発進立坑となる北品川非常口の立坑本体が完成するなど、27年開業を目指し工事は順調に進んでいる。リニア工事は、最大土被り1000m以上の区間を含むトンネル工事や、運行中の在来線・新幹線直下でのターミナル駅構築、鉄道や道路トンネルが近接する都心部での土圧を計算しながら地下深くまで掘削する非常口新設など、難易度の高い工事がそろう。その中で各社は最高レベルの技術を結集し、難工事に挑んでいる。【残り50㌔も近く発注へ】

     

     トンネル工事の初弾となる「南アルプストンネル(山梨工区)」が15年12月18日に起工以来、各地でトンネル工事が進んでいる。発注は、未契約のものも含め全長約82%の約236㎞(山梨リニア実験線含む)で完了済みだ。

     

     工区分けして進めるトンネルでは、全長約36.9㎞の第一首都圏トンネル、約6.3㎞の津久井トンネル、約8.6㎞の第四南巨摩トンネル、約25㎞の南アルプストンネル、約15.3㎞の伊那山地トンネルは全区間発注済みとなっている。このほか、全長約5.6㎞の風越山トンネルは約2.3㎞、約14.5㎞の日吉トンネルは南垣外工区の約7.4㎞、約34.2㎞の第一中京圏トンネルは大森、大針、西尾、坂下西、名城工区の計32.3㎞で発注が終わった。

     

     未発注区間としては、山梨県内に位置する第一南巨摩、第二南巨摩、第三南巨摩トンネルや、長野県内の阿島トンネル、岐阜県にある第一大井、第二大井トンネル、久々利トンネル、愛知県の第二中京圏トンネルが残る。

     

     27年度まで残り約7年と開業が迫る中、トンネル工事を含め、現在未発注となっている約50㎞分の発注も近いうちに進みそうだ。

     

     駅は6駅--品川、神奈川、山梨、長野、岐阜、名古屋駅を整備。既に品川と名古屋、神奈川県駅では工事が進んでいる。

     

     ターミナル駅となる名古屋駅は16年12月19日、品川駅は同1月27日に着工。神奈川県駅は、中間駅として初めて19年11月22日に起工した。

     

     5工区に分けて進める名古屋駅は、東海道新幹線名古屋駅直下約30m、3工区で進める品川駅は東海道新幹線品川駅直下約40mに、施工延長約1㎞、最大幅約60mの新駅を構築する。

     

     神奈川県駅は、相模原市橋本駅付近の地下約30mに延長約1㎞、最大幅約50m、ホーム2面、線路4線の駅をつくる。

     

     中津川市千旦林付近に計画する岐阜県駅は現在施工者選定中。甲府市大津町付近の山梨県駅と飯田市上郷飯沼近くに予定する長野県駅の発注も待たれる。

     

     発注や工事が順調に進む一方で、大井川の水資源が減少すると主張する静岡県の同意を得られず、南アルプストンネルの静岡工区で着工できていない問題も残る。1月17日、国土交通省が県に対して科学的・工学的な議論をする有識者会議の設置を提案。同30日、国交省と県が会議の設置に合意したものの、依然として着工への道筋は見えていない。

     

     大都市圏を短時間で結ぶリニア事業は、日本の暮らし・地域経済を変える。新駅周辺ではリニアを契機としたまちづくりも活発化し、波及効果や地域住民の期待は大きい。

     

    【新時代の交通機関 45年までには大阪まで延伸】

     

     品川~名古屋間を40分で結ぶ新時代の交通機関「リニア中央新幹線」は、27年度開業を目指している。45年までには大阪まで延伸し、総投資額は約9兆0300億円(品川~名古屋間で約5.5兆円)に上る。品川~名古屋の全長は286㎞。このうち86%の246.6㎞がトンネル構造となる。約42.8㎞(トンネル区間約35.1㎞)の山梨リニア実験線は既に完成済みだ。都市部のトンネルは主にシールド工法、山岳部はNATMを採用する。リニアは、「超電導リニア」と呼ばれる日本固有の技術により、時速500㎞という新幹線で世界一の速さを実現。通常の鉄道は車輪とレールの摩擦を使って走るため、高速化すると車輪が空転してしまい速度向上に限界があった。一方リニアは、磁石の力を使うことで10cm浮かせながら走る。車両の「超電導磁石」、ガイドウェー(軌道)の推進コイルと浮上・案内コイル間で、S極とN極は引きつけ合い、同じ極同士は反発し浮上走行する。車両とガイドウェー間に働く磁力により、車両は常に中央で安定して走行することが可能だ。

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    掲載日: 2020年2月4日 | presented by 建設通信新聞

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